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三三・山陽・茂山の壱弍参之笑@西新井文化ホール

このメンツの演目が二つずつ楽しめるとは、なかなかオトクでしょう!・・・・・と思っていたら、期待以上に事態は込み入っていて。
単なる対バンではなく、落語・講談・狂言、三者のコラボレーションでした!


■狂言「附子」:茂山宗彦・茂山茂・茂山童司・神田山陽
小学校の教科書に出てきた「ブス」です。こうやって舞台でちゃんと観るのは初めてですね。
主人役の茂さん、テノールの良い声ね!
主人の留守中に、太郎冠者と次郎冠者の二人が、好き勝手やりまくった後、主人が再び舞台に登場・・・・・と思ったら、長袴で山陽さん登場!茂さんとバトンタッチしたんですね!


■講談「十番斬り」:神田山陽・柳家三三
暗転後、今度は短い袴で山陽さん登場。一度、山陽さんの講談、聴きたいと思っていたんですが、なんだか落語みたいなマクラが(^^;
その後、忠臣蔵の堀部安兵衛が活躍する「十番斬り」の講釈を始めたと思ったら、安兵衛が高田馬場に着く前に切れ場になって、山陽さんは、ソデに引っ込んでしまい・・・・・すぐに、三三が高座に上がって続きを始めました。
三三は落語家ですが、講談には定評があります。三三のを「講談」として聴く機会は、なかなか無いかもね。


■落語「うどん屋(風邪うどん)」:柳家三三・茂山宗彦
暗転後、釈台無しで三三が続投。マクラは、先日の円朝祭りのときと大体同じ。
本題で、うどん屋が一人目の客をあしらった後、三三が上手に引っ込んだと思ったら、下手から茂山宗彦さん登場!続きを始めました。
続きと言っても、今度は「風邪うどん」。つまり、上方落語バージョン。だから、うどん屋の掛け声も違います。
茂山さんは狂言師ですが、NHK朝の連ドラ「ちりとてちん」で、落語家の役をやっていたんですよね。そのときの持ちネタ「ソーコーヌーケーに」も飛び出し、お客さんは、大喜びでした。


■講談「裏窓」:神田山陽
仲入り後は、ヒッチコックに因んだ新作。
京都の修学旅行で謹慎を食らった男子学生。怪しげな老人から渡された「遠眼鏡」で、旅館の「裏窓」から河原町方面を覗いて見えたのは、百数十年前の幕末の景色。今まさに、坂本龍馬が暗殺されようとしていた!
男子学生の「酒井君」が、謹慎になった原因は、酢昆布を所持していたから(笑)。麻薬じゃなくて良かったね(^^:::


■落語「ダイヤルMを廻せ」:柳家三三
こちらもヒッチコックに因んだ新作。
今は、高齢のため、稼業を引退した伝説のスリ師。ある日、振り込め詐欺の電話がかかってきて、さあ大変!と思ったが、ヒマつぶしに、わざとダマされてみることに。ところが、金を受け取りにきた男性は、生き別れた実の孫だった・・・・・。

なんと三三、一番大事なサゲを間違えてしまいました。
私も聞いたとき「あれ?」って思ったんですが、やっぱり後で謝ってました(笑)。
まあ、こんな日もあるよね。ご愛嬌。


■狂言「梟(とり)」:全員
弟に取り憑いたフクロウの霊を祓うため、行者を呼んで加持祈祷を始めるが、結局全員取り憑かれてしまい、○イケル・○ャクソンだかレイザー○モンHGだかわからないような奇声を上げて大団円!?

この狂言のタイトルも、ヒッチコックに因んだものでしたね。


今回のテーマは「フェイク」「ヒッチコック」。
なかなかイキなニセモノ達でございました♪
by june_h | 2009-08-27 20:13 | 落語会 寄席 | Trackback | Comments(0)