2009年 10月 05日
コクーン歌舞伎『桜姫 清玄阿闍梨改始於南米版』@NHK教育
時間があるときにちょこっとずつ見て、やっとこさ終わりました(笑)。
見終わった後、オリジナルの歌舞伎『桜姫東文章』の粗筋を確認したところ、だいたい同じようです。でも、舞台は、歌舞伎の雰囲気はまったくなく、現代劇のようでした。
なんといっても、興味があったのは、マリア役の大竹しのぶ。16歳の設定なんです(^^;
でも、いくつものキャラを演じ分ける力は、さすが!少女になったり娼婦になったり。スゴい!
最初は、マリア(桜姫)って、ヴェデキントの演劇に出てくる「ルル」みたいなキャラだと思いました・・・・・関わった男達を次々と破滅させる「ファム・ファタル」なんだと。
でも、実際は、彼女を通して、セルゲイ(清玄)とゴンザレス(権助)という二人の男の「業の深さ」を浮かび上がらせるキャラだったんです。
愛する少年「ジョゼ」との心中に失敗し、マリアをジョゼの転生だと信じて、一緒に心中しようと彼女を追いかけ回すセルゲイ(死にたいって言ってる人に限って、長生きするよね(^^;)。
スラムに生まれ、あらゆる犯罪に手を染め、マリアを犯して孕ませ、さらに自分が妻マリアの父を殺した犯人だとわかっても、なお、汚なく生き抜こうとするゴンザレス。
二人は、まるでコインの裏表。生き方は違えど、二人とも「死ぬほど生き抜きたかった」んじゃないでしょうか。
古田新太の悪人っぷりも、良かった~(^^)死ぬシーンも、実際の舞台を観ていたら、ドキッとしたかもしれません。
コクーン歌舞伎、来年は、野田秀樹でお願い!