「いつの間にか相手の心をつかむ すごい聞き方!」 片山一行 著 ダイヤモンド社

ビジネス本の編集者が書いたハウツー物ですが、それ以上に感じるものがありました。

いつの間にか相手の心をつかむ すごい!聞き方

片山 一行 / ダイヤモンド社


そこいらの薄っぺらいハウツー物と違うのは、この本に書かれていることが、著者がいろいろ苦労してきて実感したことばかりだということがよくわかるから。
「一度、ドブに落ちた経験がある人は強いんだよ」

著者は、出版社で編集者として働いていましたが、上司とソリが合わなかったり、部下との接し方に悩んだりして、鬱病になった経験があります。
こうした経験から、「人とどう接すればうまくいくか」ということを、考え抜いたのだと思います。
そして、鬱病になったからこそ、どんなふうに話を聞いてもらえると嬉しいか、どんなふうに話を聞くと相手の心に響くのか、どんな話し方が相手にストレスを与えるのか(笑)、よくわかったのだと思います。

そのため、この本は、ビジネスだけでなく、一般的な人付き合いや鬱病の人との接し方にまで広く参考になる本です。

著者が思うコミュニケーションの大前提は、
「人間は一人では生きていけない」
ということ。

編集者だけでは、本は作れません。
ライターやデザイナーなどの協力があってできるもの。編集者は、彼らの「調整役」であって「王様」ではありません。上から目線や威圧的な態度では、皆、気持ち良く仕事ができませんし、当然、一人一人の魅力や能力も引き出せません。

とにかく、まずは、相手の話を批判せず、意見せず、遮らず、共感を持って聞くこと。
自分の意見を聞いてもらいたいと思ったら、まずは、相手の意見を受け止めること。コミュニケーションは、そこから始まります。

「聞く側」に回ったからといって立場が下になる?・・・・・そんなことはありません。
「多くの人は、生きたいように生きられなかったり、したいことをできなかったりする。けれども、だからといってめげることはない。そういう人は、人の話を聞く側に立っているわけだから、むしろ情報が集まってくるものだ」

この言葉で、私はとても救われましたような気になりましたし、いろいろ身につまされることもありました(^^;

思うようにいかないことが多くって、平らかな気持ちでいるということがなかなかできないとき。この本を読んで
「原因は他人じゃない。自分の内にあるのだ」ということがよくわかって、人との接し方を変え、自分の「ドンカン」な態度を見直してみました(笑)。そうすると、ちょっとずつですが、薄明かりが見えてきたように思います。
「人間は誰かと付き合うときに、「トク」がないと、積極的にはコンタクトをとらないと思うんですよ。ひとつは、その人と付き合っていると何らかの点で「得」をするか、ということ。もうひとつは、付き合っていて心地よいということ。これが「徳」じゃないですかね」

どんなに近くにいても、相手のストレスになってしまったら、恫喝したり泣いて頼んだりしても、離れていくだけ。
逆に、打算的というわけではないけれど、一緒にいて心地よくなる相手だったら、自然と人が集まってきます。

この本に載っている言葉は、著者だけの意見だけではありません。著者が感動した、身の回りの人達の言葉も多くあります。これこそ、著者が、他人を尊重し「傾聴する」ことができている何よりの証明だと思います。
「聞く力は、技術ではない。その人の生き方がつくり出すものではないだろうか。」


にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村
[PR]
トラックバックURL : http://juneh.exblog.jp/tb/10477901
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by june_h | 2009-11-21 10:05 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)