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雑誌 「月刊 秘伝9月号 内田樹×成瀬雅春 "覚悟とリラックス"」 BABジャパン

どうやら武道の雑誌らしいです。

「月刊 秘伝」9月号

合気道の達人である内田樹先生と、ヨガの達人である成瀬雅春さんが表紙。特集は、お二人の対談「いまを生き抜く為に 覚悟とリラックス」。

見るからにディープな雑誌ですが、内田先生の
「この雑誌に登場するのは、全員が武道の達人というわけではありません。だって僕が出てるんだもん」
というお茶目なコピーに惹かれて買ってしまいました(^^;

成瀬先生は、インド人のグルのような風貌。以前、先生がお書きになった『仕事力を10倍高める瞑想トレーニング』という本を読んだことがあります。読みやすく、実践的でわかりやすいヨガの本でしたが、仕事で役に立つというより、全部こなすと仙人になれるんでは?というような内容でした(^^;;;

「覚悟とリラックス」。日本の武道は、一見、相容れないこの二つを同時に行うことを目的にしてきました。

まず「リラックス」について。
日本の武道は、元々、精神的にも肉体的にも、どんな状況にも最大限の能力を発揮して対応できるように「リラックス」させるための鍛練に重点が置かれていた。しかし、今の、勝ち負けにこだわるスポーツ武道は、勝つために余計な「緊張」を作り出し、しかも、相手の能力を下げることにしのぎを削るようになってしまったため、本来の目的から外れてしまった。でも、本当は、お互いの能力を高め合っていくためのもの。一人で取り組むより、皆で取り組んだほうが、全体のレベルアップのスピードが早くなるもんなんだよ、ということ。

それから「覚悟」について。
「覚悟」とは、究極的に「いつでも死ぬ覚悟ができる」ということ。
成瀬先生は、よく、ヒマラヤの断崖絶壁で瞑想をするんだそうです(^^;
こうすると「胆力」・・・・・「死ぬ覚悟」「生き抜く覚悟」を鍛えられるらしい。「やるぞ!」と興奮状態になることではなく、「こうしていることが必然である」断定すれことで、座っていられるんだと。「オレ、何やってるんだろう」って思ったら、150メートル下に落っこっちゃう(^^;;;

「覚悟とリラックス」って、結局は「こだわらないこと」「執着しないこと」なんですね。
でも、執着しないようにするためには、「執着を消す」ということではないんだそうです。どんな座禅の達人でも、聖人君子でも雑念や煩悩からは無縁ではいられない。ではどうすればいいか。それは、「執着を離れる」・・・・・「あってもいいよ、無くてもいいよ」という状態になること。
なるほどな~って思いました。

他の記事もなかなかディープ。
「古伝太極拳の知られざる術理 秘術"四両撥千斤"とは?」とか
「太気拳師範・天野敏が語る「組手、ときどき波」」とか。
写真も「武道の達人」らしき人が、いかにもなキメポーズで写っています。

読者のQ&Aコーナーなんかは
Q:輪の太刀から魔の太刀、とよく言われますが、実際我々が現在目にする廻剣の技法は、どこが魔といわれるのかまったく理解できません。先生はどのように指導されているのでしょうか。
A:なかなか厳しいご質問ですね。極意だからこそ、基本素振りとして、初手から長年にわたって指導されるのです。

・・・・・なんて、質問も回答も意味不明(^^;

「江戸神輿に学ぶ身体操作法」のコラムを読んでいて、三社祭のときに、浅草の棟梁が言ってたことを思い出しました。

「神輿は「ヨイ、ヨイ、ヨイ」で上げるんだ」

・・・・・お神輿は、いきなりエイって持ち上げてもダメなんですって。
ヨイ、ヨイと、左右に振った後、最後のヨイで上げると、ラクに上がるんだそうな。

読んでいて全然わからないことが多かったですが「カラダって奥深い」と思った雑誌でした~。
by june_h | 2009-11-23 10:51 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)