「健全な肉体に狂気は宿る 生きづらさの正体」内田樹×春日武彦 角川書店

内田先生と、精神科医の春日武彦先生の対談です。
健全な肉体に狂気は宿る健全な肉体に狂気は宿る
「対談」とはいえ、話しているのはほとんど内田先生(^^;
春日先生は、人の話を聞くのが商売なので、内田先生はきっと、春日先生に「気持ち良く喋らされた」みたい(笑)。

編集者も、このことに気づいたんでしょうね。
本編では、ほとんど話していない春日先生を気遣ったのか、巻末に、春日先生の「後書き以上エッセイ未満」の、ちょっと長めの文章が挿入されています(^^;;;
「自分が人を傷つけるときにとっさに出てくることばって、それによって自分自身が深く傷ついたことのあることばなんですよね(by内田樹)」

内田先生の話って、どうしてこんなに実感に満ちていて面白いんでしょう。
きっと、自分が「好きなこと」「面白いと思うこと」をたくさん体験しているから、感度が良いんでしょう。
「やらなきゃいけない」「イヤイヤやってる」ことが増えると、心や身体の感度が鈍ってくるから(鈍らせないとできないから)?

でも、この本のタイトル「健全な肉体に狂気は宿る」は、春日先生の言葉。

精神疾患の患者は、死にかけるとよくなるそうです。実際、戦争中は患者が少なくなるらしく、要は、(言葉は悪いですが)「狂っているヒマがなくなる」のでしょう(^^;
身体にゆとりができると、病気が再発するそうです。そして、また、身体の病気が悪くなると、抗精神薬が少なくて済むようになったり・・・・・。

あと、興味深かったのは、
「中国とフランスには境界性人格障害がない」
ということ。
「境界性人格障害」とは、内田先生曰く「嫌なヤツ」という定義らしいのですが、中国人やフランス人は、この定義に照らし合わせると、全員「境界性人格障害」になってしまうからだそうです(^^;
だから、あんまり無理して「イイ人」にならなくても良いんですよ(笑)。

春日先生の患者は、だいたい「こだわり」と「プライド」と「被害者意識」の3点セットを持ってくる、という言葉もよくわかります。
この3つが突出していなければ、ラクに生きられそうですものね。

それから「人の心が健康でいられる条件」として、次の4つを挙げています。
・自分を客観的に眺められる能力
・物事を保留にしておける能力
・秘密を持てる能力
・物事には別解があり得ると考える柔軟性

・・・・・要は「チョイ悪でいい加減」な部分が大切ってことなんですね(笑)。

そんなわけで、私は最近、かなりブラックでいい加減(^^) うふふ。

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Commented by rudolf2006 at 2010-01-22 07:47 x
june_hさま お早うございます〜

いつも面白そうな本を読まれていますね〜
内田さんの本、私も読んでいます、哲学関係の学者さんにしては珍しく「自分の言葉」を持っておられる方だと思っています。
この本も、面白そうですね〜、アマゾンでチェックしますね〜。
私は「人間は健康を考えるようになってから不健康になった」という言説を、親しい人には話しています。「健全な心身」という考えが一番、心身に悪いのかもしれませんね〜。
ミ(`w´彡)
Commented by june_h at 2010-01-23 16:41
rudolfさまに同感です!

>珍しく「自分の言葉」を持っておられる方だと思っています。
「自分の言葉」はもちろん、易しく、面白く説明される力がスゴいと思います。こういう方が、本当に頭の良い方なのだと思います。

>「人間は健康を考えるようになってから不健康になった」という言説を、親しい人には話しています。
重病人はともかく、健康にこだわり過ぎるのは、逆に不健康なことですよね!
by june_h | 2010-01-21 20:45 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)