『「密息」で身体が変わる』 中村明一 著 新潮社

昔の日本人がやっていた秘密の呼吸法!?・・・・・というわけではありませんが。

「密息」で身体が変わる (新潮選書)

中村 明一 / 新潮社


著者は尺八奏者。といっても、尺八奏者の家系でもなく、小さいときから習っていたわけでもない、ごく普通の洋楽好きな学生でした。しかしある日、邦楽器を取り入れたオーケストラで、尺八の音を聴いて感激し、虚無僧尺八家に入門したんだそうです。

毎日稽古を重ねて、ある程度までは上達するものの、昔の虚無僧が作った古い曲は、どうしても息が続きません。そこで著者は「昔の人と呼吸の仕方が違うのでは?」と思い当たりました。それが「密息」という呼吸法だったのです。

密息とは、私の理解だと、骨盤を後ろに倒して、吸うときも吐くときも腹を引っ込めずに出したまま行う呼吸法。吐くときに腹を引っ込める腹式呼吸とは、ちょっと違います。

私が2年近く続けているホットヨガでは、息を吐くとき
「極限までお腹をへこませて」
と指示されますが、これがなかなか難しくて(^^;
試しに、密息のように、吐くときもお腹をへこませないように頑張ったら、吸う息の量が増えたような気がしました。なんだか自分の身体が、吸引力の高いダイソンの掃除機になったようでした(笑)。

密息は、特別な呼吸法というわけではなく、着物で農耕生活を送っていた近代以前の日本人には当たり前の呼吸法だったそうです。昔の日本人は、骨盤が今より後ろに倒れていたんですって。
密息によって、より多く、より深く、インナーマッスルを使って呼吸することができます。

今の日本人は、生活が西洋化して、胸式呼吸になってしまった上に口呼吸に変わり、健康を損ねてしまっているのです。
100年前の日本人とは、食べ物も生活様式も体型も、さらには身体の使い方まで変わっていたのですね。

密息についてだけではなく、著者が尺八奏者ということで、日本の音楽と西洋の音楽の違いについてもいろいろ語られていて、とても面白かったです。

日本人は、昔から倍音(ここでは、音色とか響きを言うのかな?)を大事にする傾向にあるので、リズムや音程は重視しないんだそうです。
ヒット曲を分析すると、平井堅や浜崎あゆみ、松任谷由実など、優れた倍音を持つ歌手が多いんだとか。

私の妹が箏と三味線の師範なので、時々、邦楽の演奏会にも足を運びます。
そのとき横笛(篠笛?)の名人と言われる七十代くらいの男性の演奏を聴いたのですが、着物の上からでもハッキリ腹筋が割れているのがわかって、釘付けになってしまいました( ̄○ ̄;

邦楽はラクそうだと思ったら大違い。奥が深いです(^^;

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by june_h | 2010-01-30 11:50 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)