「ローマで語る」 塩野七生×アントニオ・シモーネ 集英社

『ローマ人の物語』でお馴染みの作家 塩野七生さんと、息子さんのアントニオさんとの、映画についての対談本です。
塩野さんのエッセイでたびたび登場していたアントニオさん、どんな人だかすごく興味があったので、楽しんで読みました。

塩野さんは、ローマ在住で、現地の医師と結婚して生まれたのがアントニオさんです。その後、離婚して、母一人子一人となりましたが、本と同じく映画にも親しむ塩野さんの教育をしっかり受け継ぎ、アントニオさんは映画の世界で働くことに。彼が仕事で経験した、アメリカ映画界(ハリウッド)と、イタリア映画界の違いが面白かったです。

ハリウッドは、システマティックだけど、一人一人の持ち場がしっかり決まっていて、他の持ち場には絶対手出しできないそうな。でも、イタリアは、そこまで決まってない分、一人がなんでもやらなきゃいけないけど、いろいろな仕事が勉強できるので良かったとか。アメリカと違ってご飯も美味しいらしいし(^^)
イタリアが独特?なのは、映画のエキストラやスタッフを派遣する会社が、マフィアの経営だってこと(^^;
マフィアは、大きな利権のあるところには、必ず絡んでいて、理不尽なことを要求するけど、マフィア無しでは、仕事がうまく回らない。要は、社会のシステムが公正じゃないので、マフィア人脈に優秀な人材が流れてしまっているのです。
イタリア車はマフィアが絡んでいて厄介だ、と、輸入車販売をしていた私の知り合いが言っていたことを思い出しました。

二人の映画評は面白いのだけど、歴史的な名作が多くて、これらをあまり観たことがない私には、正直よくわからなかったんです(^^;
でも、多くの女性と浮名を流しながら、どの女性からも恨まれなかったという俳優 マルチェロ・マストロヤンニには興味を持ちました(笑)。

アントニオさんは、さすが塩野さんの息子さんで、語り方がとても論理的。母親の影響がとにかく大きくて
「僕はデキる女性に対するアレルギーはない」
という言葉が何度も出てきました(笑)。
そのためか、マドンナやアンジェリーナ・ジョリーを始めとしたデキる女性達の「アイス・レディ」論が面白かったです。
それから、
「幸せを追い求めるということ自体が、すでに狂的な精神行動かもしれない」
「喜劇のほうがしばしば、悲劇よりも悲劇的。ごく普通の人びとが、なりたくもなかったドラマの登場人物になってしまうという点において」
などと明言を吐いています(→これだけ切り取るとペシミスティックな人だと思われるかもしれないですが、そういうわけでもないです)。
でも、塩野さんのエッセイにたびたび登場していた「辛口で皮肉っぽくてユーモアがある息子」のイメージは、かげをひそめ、マジメになっちゃって、ちょっとツマラナイ(笑)。

不思議だったのは、塩野さんのことを「シオノさん」と呼ぶこと。まあ、今は母親が仕事の上司だからしょうがないのか(^^;;;

今度は、アントニオさんが好きな、日本のアニメ評について聞かせてほしいです。それなら私もついていけます(汗)。
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by june_h | 2010-03-11 22:28 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)