「えこひいきされる技術」 島地勝彦 著 講談社

ハウツー本のようなタイトルですが、元『週刊プレイボーイ』編集長 島地勝彦さんの交友録です。

えこひいきされる技術 (講談社プラスアルファ新書)

島地 勝彦 / 講談社


「天皇陛下以外なら誰でも会える」
と豪語する島地さんは、自身の「えこひいきされる技術」でもって、名だたる大物作家を動かし、『週刊プレイボーイ』を人気雑誌に育て上げました。

「えこひいき」と言うと聞こえは悪いですが、人気作家は、お金では動きません。「一緒に仕事をしたい」と思ってもらわなければ、良い本は作れません。えこひいきされてなんぼの世界。「平等」という言葉は嫌いだと、島地さんは言います。

島地さんと交友があった今東光さんは、
「君が素敵な友を欲しいなら、まず君から素敵な友になってやることだ。恋人もそうだ。君がまず素敵な恋人にならなければ、相手だって素敵な恋人になってはくれない」
とおっしゃっていたそうですが、これは、仕事相手にも言えるでしょう。

島地さんは、惚れこんだ作家には、熱烈な手書きのラブレターをまず送ります。これが、相手の胸襟を開くための「マスターキー」なのだと言います(でも、高校生のとき初恋の相手に便箋100枚のラブレターを書いてフラれています(笑))。これは、幻冬舎の編集者 見城徹さんも同じですね。
塩野七生さんに対してもそうでした。
手紙を読んで「会いたい」と言わせればシメたもの。直接会って思いの丈をブツけます。塩野さんに「面白い男ね。合格だわ」と言わしめる知識と機転と読書量もあります。もちろん、作家の著作に目を通しているのは当たり前です。
かくして、新潮社発行『ローマ人の物語』の良いトコ取りをした『痛快!ローマ学』が集英社から出版されました。

開高健に連載を依頼したときは、酔った勢いで彼を押し倒してディープキス!
それで開高さんは「おまえを気に入った!」と喜んで連載を承諾したそうですが、開高健って、もしかしてドM(^^;?
しかも、半年で連載を止めたいと言ってきたときは、開高さんの浮気の証拠写真を見せて脅迫・・・・・ヤ○ザより怖い(^^;

また、作家さんに喜んでもらうためのサービス精神も旺盛です。
今東光さんの希望ということで、朝の6時からお寺で「ブルーフィルム上映会」をしたこともあったそうです(^^;

何よりも大切なのは「相手と直接会うこと」。
これは、一緒に仕事をする人とももちろんそうですが、クレームを言ってきた相手に対してもそう。
雑誌の記事に腹を立てた、右翼や左翼にも、直接相手の事務所に出向いて、可愛がられるようになったこともあるそうです(笑)。

今の島地さんの目標は、「死神にえこひいきされてラクに死ぬ」ことだそうです。
頑張って、お手紙書かなきゃね!
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by june_h | 2010-04-21 18:37 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)