「人はなぜ恐怖するのか?」 五味弘文 著 メディアファクトリー

数多くの人気お化け屋敷をプロデュースしてきた、五味弘文さん。
この本では、彼の経験から「怖くて」「楽しい」お化け屋敷を作るエッセンスが紹介されています。

私がこの本に興味を持ったのは、学問や実験的な観点から「恐怖とは何か」を論じているのではなく、実際のお客さんの反応を蓄積して得ているノウハウばかりだということ。だから、とても納得できるんですよね。

お化け屋敷は、圧倒的にカップルの利用が多いんだそうです(笑)。抱きつきたいし抱きつかれたいっていう下心ミエミエですね(^^;そんなわけで、二人を手錠でつなぐ「LOVE CHAIN~恐怖の鎖地獄」なんていうお化け屋敷も企画したそうです。
男性特有の反応として、「脅かしやがって!」と怒る人が多いんだそうです。怖がることがカッコ悪いと思っているからのようですね。

お化け屋敷は、あくまで「アトラクション」なので、とことん怖くすれば良いわけにはいきません。
恐怖から目を逸らすために「あそこにセンサーがある!」とか、突っ込む人がいますが、それでは「恐怖」を楽しむ姿勢とは言えません(笑)。お客さんに「恐怖を楽しんで」もらわなければいけません。

冷静になれば、それほど怖くないのに、人間の想像力が、「不安」と「恐怖」を増幅させます。
例えば、お化け屋敷の入り口の近くに出口を置くと、出てきた人の怖がり様が、これから入る人を不安にさせたり。前の客の悲鳴を聞いて、次の客の恐怖が増幅したり。

また、五味さんは、「触覚」を大事にします。
赤ん坊の人形を抱かせたり、靴を脱がせたり。五感で恐怖を体感するのです。
その他、左側から驚かした方が効果的などなど、なるほどね!と思うことがいっぱいです。

こうして恐怖を追究する五味さん自身は、お化け屋敷が怖いんだそうです(^^;
私も、お金を払ってまで怖い思いはしたく無いですが、人間の恐怖という心理には興味津々です。
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Commented by oomimi_usako at 2010-08-31 09:46
私、怖がりです。
たぶんこの御本は手に取りたくない派。
だって、表紙が怖いもん!
おウチの玄関に、掛けるために調達した鏡があるのですが、夜中に何か映ったらどうしよう!と、それが怖くて10年以上掛けられないでおります。
そんな私、なぜか小学生の頃からおばけ屋敷大好き。
中に入って、いろいろな仕掛けをみつけるのが好きだったんです。一度なんて、おばけに扮した人が出てくる切り穴を見つけ、その上に乗っかって、家族が無事に通り抜けるまで踏ん張った・・・という妙な武勇伝(?)もあります。
でもでも・・・
それって、怖がりからくる、恐怖から眼をそらすための自己防衛本能だったんですね!
なるほど~と思いました。
Commented by june_h at 2010-09-01 12:36
>usakoさま
・・・・・こころなしか、この記事をアップしてから、アクセス数がなんとなく減っているような気がいたします(^^;
usakoさまスゴい!家族のために身を呈してオバケを止めたんですね!
私も怖がりですが、お化け屋敷に入ると、できるだけ何も見ないように、目を細めて進行方向だけを見るようにします(笑)。恐怖に対する反応が、人によって違うことは興味深いです。
ほかにも「赤い色は脅かすのに効果的」「怖さは「慣れ」が出てくるので、お化け屋敷は10分以内」など、いろいろ勉強になることが書かれています・・・・・だからと言って、この知識が何かに生かせるかどうかはわかりませんが(^^;;;
by june_h | 2010-08-30 18:07 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)