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「身体知 身体が教えてくれること」 内田樹×三砂ちづる バジリコ

内田先生と、『オニババ化する女たち』の著者で津田塾大学教授の三砂ちづるさんの対談です。
「身体知 身体が教えてくれること」 内田樹×三砂ちづる「身体知 身体が教えてくれること」 内田樹×三砂ちづる
今の女性は、必ずしも子供を産まなくてはいけないわけではないのですが、子供を産むと、今まで見えなかったことが見えてくるから面白いのだと言います。

内田先生は、離婚した後、娘さんを引き取って、男手一つで育てたことで、視野が広くなったとおっしゃっています。
その間、研究者としての時間は取れなくなってしまいましたが、「思い通りにならない経験をすること」で、考え方が広がり、後の爆発的な著作にもつながっていったのだと。
男性の自分が育児をすることでも変わるのだから、出産する女性は尚更なのだろうと。なるほど。

三砂先生の「鬼子母神の話」が面白かったです。
鬼子母神は、五百人の子供を産みながら、他人の子供を食べてしまう鬼だったのですが、自分の末の子が行方不明になって嘆き悲しみ
「自分の子供が一人いなくなっても悲しいのだから、子供を食べられた母親の悲しみは尚更だろう」
と、お釈迦様に諭されて、子供の守り神になりました。
三砂先生は、鬼子母神を、更年期障害の女性に例えます。
ホルモンバランスが崩れて「オニババ化」し、女性ホルモンが豊富なザクロを食べて安定したんだという(^^;
そう考えると、鬼子母神が手に持っているザクロが、とても意味深いものに見えてきます(笑)。

この本での内田先生の明言は、
「親を全部許さないと、子供は前に進まない」
です。
これは、親でなくても言えるでしょう。
「あの時あの人にあんなことされて、私は酷いことになってしまった」
とかって、ずーっと恨みが残ってしまうと、それにとらわれてしまって、前に進まなくなってしまいますからね(^^;

私は、この前、父が、あまりにも「自分のことを棚に上げた発言」をしまくって、家族に当たり散らすので、
「お父さんだって私が小さいときからあれもこれも何にもしてくれなかったじゃん!(そのあと、あーだこーだ続くので中略)。自分は何にもしないのに、欲しがってばっかりで、くれないと怒るっておかしくない?」
というと、黙っちゃって、いそいそと買い物やご飯作りをするようになりました(笑)。
わかってくれたのは、嬉しいけど、アタシ、まだ昔のことこだわってるんだって、ちょっと自己嫌悪になったりして(^^;;;
by june_h | 2010-12-10 12:56 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)