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【日本映画:ネタバレあり】わが心の歌舞伎座

改築のため、2010年4月に閉場した歌舞伎座と、歌舞伎役者やスタッフなど、関係者達のドキュメンタリー映画。ナレーターは、倍賞千恵子さんです。
登場する役者さんの順番とか、エンドロールとか、役者さんの序列に対する配慮をものすごく感じましたですね(^^;

中村芝翫さんの『藤娘』『雪傾城』から始まり、それぞれの役者さんが思い出を語りつつ、代表作が次々紹介されていきます。

中村吉右衛門さんは2番目に登場。『義経千本桜 大物浦』の平知盛、『熊谷陣屋』の熊谷直実、そして、『平家女護島』の俊寛。私は、三つとも見ながら泣きました。ダイジェストでも、十分泣けます。

私がそもそも歌舞伎に興味を持ったのは、引きこもっていたとき、日比谷のクリニックに行ったついでに、歌舞伎座に幕見でフラッと入って、吉右衛門さんの『俊寛』を見たからなんですよね。歌舞伎をもっといっぱい見たいなぁと思ったけど、働いてなかったのでお金がなくて。で、チケットを買うために働き始めたのです(笑)。歌舞伎座と吉右衛門さんのおかげで社会復帰できたので、とても恩義を感じています。

中村富十郎さんは『種蒔三番叟』。
もう、富十郎さんの高くて澄んだ通る声を、舞台で聞くことは無いのですね・・・・・吉右衛門さんと共演することが多かったので、よく拝見致しました。鷹之資くんに一つでも多くのことを残そうと必死になっていることが、毎回、ひしひしと伝わってくるような舞台でした。

坂東玉三郎さんは、『海神別荘』を始めとした泉鏡花作品。ひたすら美しい!そして、相手役の海老蔵がカッコいい!また、「海老玉」コンビが見たいものです。

中村勘三郎さんの『春興鏡獅子』、『野田版鼠小僧』、それから『仮名手本忠臣蔵』。四段目の塩冶判官切腹シーン。襖の裏で、家臣役の役者さん達、ちゃんと平服しているのですね!お客さんからは決して見えないけど、絶対空気が伝わるからって。感動しました。

片岡仁左衛門さんの『菅原伝授手習鏡』の菅丞相。楽屋で、天神様の掛け軸の前で、精神統一してから役に入ります。仁左衛門さんの楽屋の敷居が、すり減っていて、歌舞伎座の年季と重みを感じました。柱にこっそり、お孫さんの千之助ちゃんの身長を刻んでいたのですね(^^;

もちろん、上方歌舞伎の坂田藤十郎さんも登場。私は世話物をほとんど知らないということを実感しました。勉強せねば(・・;

既に亡くなった往年の役者さん達の映像も登場しました。
若くして亡くなった尾上辰之助さん、色気のある役者さんだったのですね。拝見できなくて残念!
それから、松本白鸚さん、吉右衛門さんや松本幸四郎さんにソックリ!親子だから当たり前か(笑)。

大部屋の役者さんの楽屋とか、砂場で黙々とトンボの練習をする若い役者さんとか、床山さんとか大道具さんとか松竹のスタッフさんとかお客さんとか。歌舞伎座がいかに大勢の人達に支えられていたかがわかります。

まだまだ見たい役者さんや演目がたくさんあります。新しい歌舞伎座にも行きたいです!
Commented by oomimi_usako at 2011-01-27 21:06
たいへん!観にいかないと!!
Commented by june_h at 2011-01-27 21:21
>usakoさま
すみません!かなりネタばれしています!!
by june_h | 2011-01-26 12:07 | 映画 感想 | Trackback | Comments(2)