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「スピリチュアル市場の研究」 有元裕美子 著 東洋経済新報社

占い、パワースポットから、レイキ、ヨガ、フラワーエッセンス、ホメオパシーなどの代替療法まで、科学的に証明されていない、目に見えないものを対象にした癒しビジネスが、急速に伸びています。
これら「スピリチュアル市場」の特徴やユーザーの傾向などを、具体的なキーワードや調査データから説明している本です。

著者は、コンサルティング会社の女性研究員。
元々、スピリチュアル系に興味のある方だと思いますが、ヒーリングの代金も、経費で落としたのかなー。だとしたら羨ましいなー(笑)。
「スピリチュアル市場の研究」 有元裕美子「スピリチュアル市場の研究」 有元裕美子
インターネットを使った占いやヒーリングはもちろん、パワースポットやスピリチュアルイベントが、村興しに利用されることもあるくらいの幅広さを持つ、スピリチュアル系市場。

経営側は、個人経営や零細企業が多いこと、必ずしも儲けが第一ではなく「人を救う使命感」を持って経営していることが特徴です。
顧客側は、20代から30代女性の顧客が多いこと、「信じやすい」「ヘビーユーザーが多い」ことが特徴です。

スピリチュアル系のサービスは、エビデンス(科学的根拠)に乏しいことが挙げられていますが、例えば、エビデンスを取って、トクホ(特定保健用食品)の認可を得るためのコストは、数千万円から数億円。
大企業でなくてはムリです。

また、アメリカのCAM(Complementary & Alternative Medicine:補完代替医療)についてのレポートもあります。
CAMのリストには、ホメオパシー、ナチュロパシー、アーユルヴェーダ、中国伝統医学などがありますが、国民のニーズに合わせて、エビデンスがなくとも、政府や企業の補助金や投資が年々増加。
気功やヨガへの投資も多いようです。

元々、スピリチュアル系に興味があって、ホメオパシーを勉強している私が思うに、この世界は、口コミと個人の実感に寄る所が大きいので、「マスコミが言っているかどうか」「エビデンス(科学的根拠)があるかどうか」だけでは、あまり判断基準にならないかもしれません。
効果なども、従来のマーケティングや調査データで拾えるものでもないかもしれません。

気付けばほら、あなたの周囲にも、パワーストーンを身につけた友達や同僚が増えているはず!
by june_h | 2011-07-06 12:41 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)