「精神科医が狂気をつくる 臨床現場からの緊急警告」 岩波明 著 新潮社

現代医学はもちろん、どんな療法を紹介する本でも、成功例しか載っていない場合がほとんどです。しかし、こうした陰には、もちろん、失敗例もあります。
この本では、失敗例が数多く挙げられています。精神疾患治療の難しさを実感します。
「精神科医が狂気をつくる 臨床現場からの緊急警告」 岩波明「精神科医が狂気をつくる 臨床現場からの緊急警告」 岩波明
現代医学の精神科は、薬物療法が中心。何年かかっても、なかなか改善しない患者も多くいます。
かといって、代替療法は良いのか?というと、こちらはこちらで同じような患者さんが。
著者ご自身は、精神科医で、薬物療法の限界をよくご存知です。心療内科が取り入れていることもあるカウンセリングも、厳密に言えば、科学的に効果が証明されたわけではないので、代替療法の一つなんだとか。

じゃあ、何が良いの!?って思いますけど、結局のところ、誰にでも効く療法とか、万能の療法は、無いのではないでしょうか。

患者さんの状態や病気の重さ、性質、タイミングなど、いろいろな要素が絡んで来ますので、それぞれに「向いている」療法があるでしょうし、「この療法でなきゃ治らない」ってこともないのだと思います。

この本では、いろんな療法や医師や研究者を批判していますが、こうした批判が主旨なのではなく
「オールオアナッシングで考えるな」
「どんな療法でも、金儲けではなく、患者を治すことが目的であることが第一前提」
と言いたいのでしょう。
それにしても、内情を知っている同業者はコワイ。
「げに恐ろしきは同業者」
って感じ(^^;

興味深かったのは、マスコミによるバッシングについて。
代替療法は、バッシングを受けると「製薬会社や医者の陰謀」だと考えます。
同じように、予防接種による副作用など、現代医学に不利なニュースが流れると、医師達は「サイエントロジーの陰謀」だと考えるそうです(^^;

それが本当なら、世の中って、なんて陰謀だらけなんでしょう(笑)。
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by june_h | 2011-10-11 20:21 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)