「本はどう読むか」 清水幾太郎 著 講談社

社会学者の清水幾太郎先生のエッセイ。
本の読み方よりも、先生の読書遍歴が面白かったです。
「本はどう読むか」 清水幾太郎「本はどう読むか」 清水幾太郎
「読書とは、書物と交際することだ」
という言葉どおり、本に対する先生の愛情がハンパ無いです。

先生の読書遍歴は、小さい時に好きだった立川文庫から。
本を読めと言われたわけではなく、あくまで「面白い」という気持ちから自発的に読み始めたそうな。
しかし、やがて立川文庫が「ワンパターン」だと見切って、友達に全冊を譲った時の複雑な心境と言ったら・・・・・。
そして、戦時中に蔵書を売り払おうとした時の逡巡も。
わかりやすい文章で、グチャグチャと書いてありました(^^;
本に対してここまで愛情を持てるなんてスゴい!

印象的だったのは、大杉栄のエピソード。
先生は、学生時代に大杉栄の著書が大好きだったそうですが、大杉栄は、関東大震災のドサクサに紛れて、甘粕正彦に殺されてしまいます。
後に、先生が新聞記者として満州国で甘粕正彦と対峙した時・・・・・淡々と書かれてはいましたが・・・・・まるで、肉親を殺した仇のように、甘粕正彦を見つめていたことが伝わってきました。

読んでて
「この人は、本に書かれている人間の思考や思想はスゴく愛しているみたいだけど、人間自体を愛することはあったのかしら?」
って、ちょっと思いました(^^;

それから、本は「教養書」「実用書」「娯楽書」に分類できるというのが、先生の持論のようですが、私は「それを決めるのは、本自体じゃなくて読者じゃね?」
と、突っ込みたくなりました(^^;

最後に、書籍、雑誌、新聞、映画、ラジオ、テレビのメディア比較をしていますが、インターネットに対してどんなふうに論じたのか、興味アリです。
もう亡くなっていらっしゃいますし、この本自体も40年前に出版されたものなので、しょうがないのですが・・・・・。
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by june_h | 2011-12-16 12:10 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)