「風の谷のナウシカ」 宮崎駿 著 徳間書店

福島原発の事故があってから、私の頭の中にしばしばこだましていたのは、「ナウシカ」の言葉でした。映画版ではなく、漫画版の方です。

小学生の時に友達から1巻を借り、新巻が出るたびに、その友達から借りて読んでいました。
それぞれ何年もかかって飛び飛びで、1回ずつくらいしか読んだことがないはずなのに、驚くほどセリフを覚えているのです。かなりショックを受けたのだと思います。

もう一度、全部読みたくて「大人買い」しました。
「風の谷のナウシカ」 宮崎駿「風の谷のナウシカ」 宮崎駿
大国の論理で振り回される小国、戦争で荒廃する大地、恐怖に駆られて権力争いを繰り返す権力者達、化学兵器と遺伝子操作・・・・・。
巨神兵は、原発と重なります。

まとめて読み返してみると、この年になったからこそわかることも多くありました。

今回、読んでいて、一番印象的だった人物はクシャナ。
親兄弟で殺し合う、深い業を背負いながらも、気高く生きようとする姿。ナウシカと敵対する者ではなく、むしろ、ナウシカと志を同じくしているように感じました。
映画版で描かれなかった彼女の部分は、『もののけ姫』のエボシ御前に反映されていたように思います。
「風の谷のナウシカ」 宮崎駿「風の谷のナウシカ」 宮崎駿
今回は、ナウシカのこの言葉が印象的でした。
母はやさしい人でしたが窓辺でぼんやりしていることがよくありました
そんな時の母の顔はまるで知らない人のようでした
声をかけてわたしを忘れていたらどうしようとこわくて
母は十一人の子を産み育ったのはわたしだけです
他の子は母の身体にたまった毒を身代りにひきうけて死んでいきました
母は決して癒されない悲しみがあることを教えてくれましたがわたしを愛さなかった
ナウシカの世界は、遠い未来ではなく、今、正に起こっていることなのだとわかります。
[PR]
トラックバックURL : http://juneh.exblog.jp/tb/15227466
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by june_h | 2012-01-06 12:28 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)