「kanji no kanji 感じの漢字」 高橋政巳 書&文 扶桑社

木や石に文字を彫る「刻字」をしている高橋さんによる、漢字の由来を紹介した本。

感じの漢字

高橋 政巳 / 扶桑社


漢字は元々、動物の骨などに刻まれた象形文字。
動物や人など、実際の形を真似たものだけではなく、実は、当時の哲学も顕れていて奥深いことがよくわかります。
漢字の成り立ちに触れていて、何度も感動して泣きました(^^;


まずの字。
明は、「太陽」+「月」=「明るい」ではなく、「日」は、窓のこと。
つまり、夜に月明かりが窓から入ってきて「明るい」という意味だそう。
夜の闇の深さと、月明かりがよくわかります。


それから、寿の字。
これは、長いヒゲの老人が、田んぼの畦道をゆっくりと歩いている様子を表しているんだそうです。
多くの人生の山谷を乗り越えて、受け入れて生きている老人の背中が見えてくるようです・・・・・。


そして、の字。
旧字体だと「戀」と書きます。
「言」が「糸」に挟まれている。つまり、
「言葉が糸に絡まったようになかなか出て来なくて、もどかしくて切ない」・・・・・そんな心。
数千年前にこの文字を作った人に会ったら
「私もあなたの気持ち、よくわかります!」
って言いたいです(笑)。

でも、今の字の「恋」だと、
「YESかNOか、どちらにしようか」
という意味になるそうです(^^;
もしかして、軽い恋愛は、文字のせい!?


高橋さんはの成り立ちを知って、漢字の世界にハマッたそうです。

あなたにとって「幸せ」って、何ですか?
人によっては「金金」だったり「愛愛」だったりしますよね(笑)。
では、数千年前の人は、幸せをどのように表現したのでしょうか?

実は、この字は、人が手枷をはめられている形なんです!
・・・・・この字を見ている私達は、少なくとも、手枷をはめられていません。
この字を見て、私自身は「幸せなんだ」ということに気付く。そんな字なのです!

でも、意地悪な私は、意地悪なストーリーを思いつきました。

金も女も権力も何もかも手に入れ、この世の栄華を極めた男。
でも、ふと気付けば、敵は増えるわ自由は無いわ、厄介事ばかりで満たされない。
ちきしょう!
金が手に入れば、権力があれば幸せになれると思ったのに、結局、幸せを求めるってことは、「ガンジガラメになる」ってことだったのかよっ!?・・・・・と悟って、この文字を作ったという(^^;

だから「幸」と「辛」って、似ているのかも(笑)。

幸せを求めれば、それが執着になり、自分を縛る。
本当の幸せは、例え、手枷足枷はめられても、今、生きているということに、ただ感謝できるところにあるんだ・・・・・。

この1文字で、なんだかいろいろ考えさせられました(^^;
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by june_h | 2012-07-21 19:35 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)