「脱力のすすめ」 小林正観 著 イースト・プレス

この本で印象的だったのは、小林さんの娘さんについてです。

脱力のすすめ―「おまかせ」で生きる幸せ論

小林 正観 / イースト・プレス


小林さんには、知的障害のある娘さんがいらっしゃいます。小林さんは、この娘さんから、多くを学んだと言います。
この娘さんがオモチャで遊んでいると、妹さんが意地悪をして、オモチャを取ってしまいます。しかし、妹さんに何度オモチャを取り上げられても、娘さんは、怒らずにニコニコしています。
そのうち妹さんは、オモチャを取り上げるのに飽きてしまい、姉妹で仲良く遊ぶようになりました。
これを見ていた小林さんは「攻撃されても仕返ししなければ、そのうち仲良くなるんだ」と学んだそうです。

また、娘さんは、運動もあまりできないので、運動会の徒競走では、いつもビリでした。
しかし、ある時、一緒に走る女の子の具合が悪かったため「娘が初めてビリではなくなるかもしれない」と、期待しながら見守っていました。
競走が始まると、娘さんは、具合の悪い女の子の手を引いて走っただけではなく、ゴールの直前に、彼女の背中を押して、先に行かせたのです。

この話で、私の友達のことを思い出しました。

私には、障害者の姉妹の友達がいました。
二人とも同じ障害がありましたが、お姉さんの方が、重度だったため、お母さんは、お姉さんに付きっきり。
妹さんは、いつも後回しにされていました。

妹さんは、さぞかし不満だろうと思い、私は、妹さんに
「いつも我慢して大変だね」
と言うと、意外な言葉が返ってきました。
「お母さんはね、いつもお母さん自身のことは、一番後回しなの」

お母さんは、姉妹の命をつなぎ止めるために一生懸命で、毎日、自分の時間などありませんでした。
妹さんは、自分自身も大変なのに、母親を気遣っていたのです。
私は、自分を恥じました。
私が会ってきた人の中には「自分がどんなに素晴らしいか」「私はこんなに優しい」と誇る人もいましたが、この親子ほどの人はいません。
特に、このお母さんは、観音様だと思っています。

私も、友達からいろいろ学ばせてもらいました。
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Commented by 二華 at 2012-11-22 18:08 x
素敵なエピソード、じーんと来ました。
大事なことを、ちゃんと見据えられる力を持ちたいですよね。
自分のことでいっぱいな人が(自分も含めて)多数ですもんね。
目が醒める思いがします☆あたたかい気持ちになりました♡
Commented by june_h at 2012-11-23 12:39
>二華さま
私は、この話を読んだとき、とても感動すると同時に「自分は、やるべきこと、できることをちゃんとやってるか」って、ちょっと不安になりました(^^;
結局、自分のことしか考えていないと、自分にとっても損なんだと最近気付きました。
自分をラクにするためにも、他者を思いやれる余裕、必要なんだと思います。
私自身は、二華さん含め、温かい人たちに囲まれてラッキーです(^^)
by june_h | 2012-11-18 12:46 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)