「韓国とキリスト教 いかにして「国家的宗教」になりえたか」 浅見雅一 安廷苑 著 中公新書

私が「隣の国なのにどうしてこんなに違うんだろう」と思うことの一つに、韓国には、クリスチャンが多いことがある。
私の韓国人の友達もプロテスタントだ。

韓国とキリスト教 (中公新書)

浅見 雅一 / 中央公論新社


日本人の場合、教会式で挙式する「なんちゃってクリスチャン」は、たくさんいるが、本当のクリスチャンは、1%もいない。
一方、韓国は、なんらかの信仰がある人のうち、カトリックとプロテスタント信者を合わせると、6割近くいる。世界最大の教会も、ソウルにある。

朝鮮半島では、高麗時代に仏教、李氏朝鮮時代に儒教が国教に定められ、他の宗教は、弾圧された。
日本と同時期に、西洋からキリスト教が入って来たが、カトリックは支配階級から、プロテスタントは庶民から広がったのが特徴。
筆者は、父性を重んじる儒教の考え方と、やはり父性が強いキリスト教が、うまくマッチして、受け入れられやすかったのではないかと言っている。
また、李氏朝鮮時代に起こった新興宗教「東学(天道教)」の影響も見逃せない。政府によって弾圧されたが、天道教信者の多くが、キリスト教に改宗したという。

朝鮮半島が日本に併合された時、教会は、抗日運動の拠点となった。
終戦後、韓国復興は、教会の人脈が中心となり、高官の多くがクリスチャンだった。歴代大統領もクリスチャンが多い。

北朝鮮も、実は、キリスト教徒が多いのではないかという。
共産党政権になるまでは、北朝鮮の地域の方が、キリスト教が盛んだった。
金日成の母親は、敬虔なプロテスタントで、祖父は、牧師だったとか。
韓国系のキリスト教系団体は、脱北者支援にも熱心だ。

韓国の教会には、課題もある。
プロテスタントの場合、妻子を持って世襲することが可能なので、教会の「財産」を巡って争いが起こることも。このことが原因で、信者が愛想を尽かしてプロテスタントからカトリックに改宗することも多いという。
教会は、日本の宗教法人と同じく税金が免除されていて、使途不明金問題が取り沙汰されるが、特定の政治家の強力な支持基盤になっているので、政治が介入しにくい(日本も同様だが)。

ちなみに、韓国は「儒教の国」と言えど、自分の「宗教」が儒教と言う人は、1%もいない。
またまたちなみに、韓国には、日本生まれの創価学会や天理教の信者も多くいるらしい。

この本で、韓国のキリスト教については、よくわかったが、残りの4割近くいる、韓国の仏教徒についても知りたくなった。
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by june_h | 2013-01-20 10:31 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)