「志村ふくみの言葉 白のままでは生きられない」 志村ふくみ 著 求龍堂

染色作家 志村ふくみさんの名言集です。

白のままでは生きられない―志村ふくみの言葉 (生きる言葉シリーズ)

志村 ふくみ / 求龍堂


この方のことは、中学校の国語の教科書で取り上げられていて、とても印象的でした。
哀しいこと、耐えられないような苦しみは、
歳月によっていつの間にか浄化されている、
今、それにようやく気づいた、
死は浄化の領域に入ることだと。

闇は暗いと思っていたが、
本当は明るい、底知れない明るさなのだと
少しずつ気づかせてもらっている。

緑はその両界に、生と死のあわいに明滅する色である。

工芸の仕事はひたすら「運・根・鈍」につきるといわれました。

「運」は、自分にはこれしか道がない。不器用で我儘な自分はこれしかできないのだと思いこむようなもの。
「根」は粘り強くひとつことを繰り返し繰り返しやること。
「鈍」とは、材質を通しての表現である工芸は、絵や文章のように、じかの思いをぶちまけて表現するものを鋭角とすれば、物を通しての表現であるから、直接ものをいうわけにいかない「鈍」な仕事なのだ。しかしそこにまた安らぎもあると。

あとがきを読んだところ、シュタイナーにも大きな影響を受けたそうで。
昔、手の先に神が宿るといわれた。
それならば、悪魔も宿るだろう、とこの頃は考える。

手によってすべての仕事は行われる。
手のなかに思考が宿るといってもいい。

とにかく、一言一言、ひたすら自然と命と色に対して、真摯に向き合ってきたからこその厳しさと重みがあります。
自然に対する畏敬の念、そして、「染める」という行為に対する「覚悟」のようなものが伝わってきます。
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by june_h | 2013-02-07 12:36 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)