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会田誠展 作品の感想

会田誠の作品は、いろいろ物議を醸しているようですが、表現方法も表現内容も多様で、一つ一つ、驚かされたり、笑っちゃったり、へぇと思ったり、ワクワク気持ちが動きます。
全部の作品の感想を伝えたい!と思ったのは初めてです。

今まで、現代アートって、よくわからなくて、作品が単なる独りよがりに見えることもありました。
でも、会田誠の作品は、「どうしたら人に伝わるか」ということを、とても意識しているように感じたのです。
美術館には、よく行くけど、大体は、自分の中の知識と向き合うような感じで、サラっと見るのがほとんどですが、ここまで作品に向き合って楽しんだのは、初めてです。

特に印象に残った作品について書きます。
私が熱く語ってドン引きしたら、笑ってスルーしてくださいね(笑)。


■鶯谷図
桜か梅か・・・・・と近づいてみると、花びらは、全部ピンクチラシ(笑)。
でも、おネエちゃん達のメイクを見ると、若干、時代が古いような(^^;・・・・・と思ったら、1990年の作品ですね。


■火炎縁蜚蠊図
一面の金箔に黒い点が・・・・・と思ったらゴキブリ!?
思わずフフっと笑ってしまう作品。


■美しい旗
日の丸を持ったセーラー服の少女と、太極旗を持ったチマチョゴリの少女が対峙している2枚絵。
「戦争画RETURNS」と題された作品群の一つです。
戦時中にしては、セーラー服のスカート丈が短いぜ。裂けたチョゴリから見える脚に萌えるなあ・・・・・エロスのツボを押さえてますね(笑)。でも、透徹として美しいと思うのは、なぜだろう?


■ゲートボール
東アジアの地図の上で、じいちゃんばあちゃんがゲートボールをしている。突いているのは、各国民の生首。
欲に縁のなさそうな老人を使うことで、滑稽さと醜悪さが増幅されるというパターン。


■ポスター
学校の廊下に貼りだされているような、画用紙に絵の具やクレヨンで描かれた小1から中学生までのポスター。「いじめはやめよう」とか「みんななかよく」とか。名前欄には「あいだまこと」と書かれている。
この作品群を見て、子供達にこういう絵を描かせることが、とてもグロテスクな行為のように感じてしまいました。
だって、なんでいじめが悪いとか、どうしていじめが起こるとか考えさせないで、とにかく「いじめは悪」という文脈でしか描くことを許さないわけでしょう?
イデオロギー的だよね。


■濃かれ薄かれみんな生えてんだよなァ
中島らもも、この絵と同じようなことを言ってたなあ・・・・・。


■高過ぎる日の丸
富士山よりずっと高い位置に日の丸があって、その隣に首吊り死体が揺れている。
この絵で一発でわかる!
日本人が求めていることと、強いられていることが(^^;


■37階のママチャリ
ミスマッチだ(笑)。
そして、日本っぽい(^^;


■日本語
平家納経のような美しい巻紙に、美しい草書体で書かれた文字。
よくよく見ると「もうだめぽ」「逝ってよし」・・・・・2ちゃん語!?
こんなイイ紙に、こんなこと書くなんて・・・・・フフっと笑ってしまいます。


■電信柱、カラス、その他
白地の屏風に水墨画だ・・・・・と思ったら、書かれているのは、カラスと電信柱。
誰もこんなものに美を見出そうとしないだろうけど、余白の取り方も含めて、美しいです。


■イデア
大きく「美少女」と書かれた漢字の前で、マスターベーションしている会田誠自身の後ろ姿を撮影し続けている作品。
性欲の対象が、どんどん分断化・記号化されていった果ての行為だということでしょうが、1時間以上も、お疲れさまでした(^^;


■「犬」シリーズ
恐らく、一番、いろいろ言われているであろう作品群。
「嗜虐性」というものを絵で表すとすると、このシリーズの絵は、MAXです。
なぜなら、残酷かつ美しいからです。
この絵を批判する人は、この絵に惹かれてしまうから、怖くなるんじゃないかな。
by june_h | 2013-02-19 12:31 | 美術展 展覧会 | Trackback | Comments(0)