「仏教シネマ お坊さんが読み説く映画の中の生老病死」 釈徹宗×秋田光彦 サンガ

浄土真宗の僧侶で、映画マニアの釈徹宗さん。
浄土宗の僧侶で、元映画プロデューサーの秋田光彦さん。
そんな二人が、映画と仏教について語り倒している本です。

仏教シネマ (お坊さんが読み説く映画の中の生老病死)

釈 徹宗 / サンガ


釈さんは
「もし、僧侶は映画を見てはならないという法律ができたら、僧侶辞めます」
と、豪語(^^;
(タイのお坊さんは、映画鑑賞を禁じられているそうです)

秋田さんは
「ゾンビ映画、好きなんです」
と、嬉しそう(^^;
二人の「溺れっぷり」がイイ!

釈先生は、宗教に関する映画には、
・タイプA:特定の教団が制作したプロパガンダ的映画
・タイプB:宗教をモチーフにした映画
・タイプC:宗教をモチーフにしていないけど、宗教的なスピリットを感じる映画
があると言います。

このうち『嫌われ松子の一生』は、タイプCに入るんだとか。
タイプAは「いただけない」と仰いますが、私もそう思います。
演劇も映画も、シュプレヒコールじゃ、観客は、ドン引き。
映画の登場人物が、教義を叫ぶのでなく、見終わった後の観客の内側から、宗教心が湧き上がるようなものでなければね(←偉そう)。

お二人が話していた映画『蕨野行』を見てみたいと思いました。
登場人物の、レン(市原悦子)が
「今生が楽しいところなら、もう還ってこない。苦悩の地だからこそ還ってくる」
というセリフが印象的。
どんな映画なんだろう!?

お二人とも共通して、『おくりびと』には、批判的。
あの映画が成功したのは、特定の宗教色を排したからというのが大きいのですが、そのせいで、儀礼的な部分ばかりが強調されてしまい、「人間は、どこへ帰って行くのか」という根源的な部分が、ほとんど描かれていないのだと。

この本の最後の方は、映画については、ほとんど語られず、「現代日本社会における仏教の役割について」が、テーマのようになっていました。
「葬式仏教」と揶揄されるようになって久しい日本の仏教ですが、お二人とも、仏教の僧侶としてできることをしたいと真剣。
実際、釈先生は、認知症患者のためのNPOを立ち上げています。

阪神淡路大震災・東日本大震災の経験、孤独死や無縁墓が増加している昨今、コンビニの数より多い寺院ができることはないか、新しいコミュニティの形はないか・・・・・。
いろいろと考えさせられました。
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by june_h | 2013-03-13 12:21 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)