三谷幸喜 作・演出「おのれナポレオン」@東京芸術劇場プレイハウス

良かった!
役者達はもちろん、役者達の背後に存在する三谷さんに、スタンディングオベーションを贈ります!

ナポレオンがセントヘレナ島で亡くなってから20年後。
死因は、本当に胃ガンだったのか。
噂どおりの毒殺か。それとも・・・・・?

ナポレオンの死の真相に疑問を持った人間が、当時の関係者達を一人一人訪問。
ナポレオンの主治医、取り巻きの伯爵、愛人、従僕、イギリス人総督・・・・・彼らの証言から浮かび上がった真実は果たして!?

これは、三谷さんが野田秀樹のために、最大限の敬意を込めて書いた作品であることは明白。
野田秀樹の、役者としての滑稽さと恐ろしさ。
野田秀樹の、脚本・演出家としてのイマジネーションと緻密な構成・計算力。
これらを最大限に生かすため、ナポレオン野田秀樹「当て書き」した作品です。

客席に向かって傾斜している「八百屋舞台」は、野田秀樹と他の役者達の身長差を際立たせています(そのために高身長の役者ばかり揃えたのか?)。
また、舞台装置の少なさと小道具の使い方は、野田演劇を思わせます。
最初は、笑いが少なめで、「野田臭」がプンプンする雰囲気に、不穏な気配を感じました(^^;

でも、これは、ナポレオンの初登場シーンのインパクトを大きくするためのもの。
シチュエーションもセリフも最高でした!
その後に起こる、ほとんどの笑いが、野田秀樹演じるナポレオンに絡んでいます。

ラストのどんでん返しと「チェス」の使い方も、野田秀樹の舞台のように、メタファーに溢れたものでしたが、やっぱり三谷さんの舞台だなあと思ったのは、キャラクターに対する温かさと優しさ。
野田秀樹の芝居は「地獄に墜ちるより恐ろしい目に遭う」キャラクターばかりなので(笑)、ここが大きな違いです(^^;

ナポレオンを取り巻く人物達は、それぞれ身勝手な理由からナポレオンを憎み、彼を殺そうとします。
でも、真相が明らかになるにつれ、それぞれがナポレオンに魅了され、愛していたからこその結果であり行動だったのだと理解できるのです。
そして、彼らの20年後の生活の世話まで考える三谷さん。
優し過ぎ(^^;;;

あまたの舞台で、多くの役者とキャラクターをチェスの駒の如く操ってきた野田秀樹を、野田秀樹のように操ってみせた三谷さんにカンパイです!

※「レビューぴあ」にも同様のものを掲載。
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by june_h | 2013-04-10 12:47 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)