「誰がJ-POPを救えるか? マスコミが語れない業界盛衰記」 麻生香太郎 著 朝日新聞出版

目次を読んでいて思ったのですが、この本のタイトルは、
「誰がJ-POPを殺したのか」
の方が、適切かもしれません。
でも、このタイトルだと、佐野眞一の
「だれが「本」を殺すのか」
とカブっちゃいますね(^^;

誰がJ-POPを救えるか? マスコミが語れない業界盛衰記

麻生 香太郎 / 朝日新聞出版


著者は、元々、作詞家で、エンターテインメント評論家。
レコード会社などと関わって来て、日本のエンタメ界の変遷を、この目で見て来たわけです。

彼は、昨今のJ-POPを取り巻く環境や未来について、強い危機感を抱いてこの本を書いています。
以前のJ-POPには、「小室プロデュース」「R&B」などのようなメインストリームがありましたが、最近は、ありません。
気付けば、CDの売り上げは日本が世界でトップですが、これはAKB48が頑張っているだけで、他の先行きは暗い。
これには、複合的な要因があります。

ソニーVSアップルの戦い、K-POPの隆盛、著作権問題、スマホの台頭、CD→MD→配信ダウンロードへの変化・・・・・などなど。
著者が一番、問題だと感じているのは、今の日本の企業が「お客様を喜ばせたい」「儲けたい」という目標のうち、後者を取ってしまった結果、負けているということ。
そして、物作りの姿勢やノウハウが、次世代に受け継がれていないことだと言います。

これは、エンタメ界のみならず、今の日本全体に言えることではないでしょうか。

一番「面白い」「楽しい」「みんなが欲しがっている」ものが提供されない場合、「オトナの事情」があることを、コドモは敏感に感じ取ります。
今は、ネットがあるので、オトナ達が隠していることは、すぐにわかってしまいます。
特に、東日本大震災以降、露骨に顕著になりました。

こうした状況から、著者が導き出した結論は、

「マスコミは、なくなる」

というものでした。

マスコミが、自分達の都合の良い情報ばかり流した結果、20代から下の世代は、新聞もテレビも信用していません。必要な情報は、ネットから取ります。

私は、思いました。
マスコミが最近、盛んに中国を「拝金主義だ」と罵るのは、実は、これは、自分達のことなのではないかと・・・・・。

そして、これからのエンタメ界のカギを握るのは、10代だと言います。

読んでいて、ツラくなるような事実ばかり突き付けられる本ですが、時代ごとにヒットした曲が取り上げられていたりして、懐かしかったです。

楽しみながら、現在のエンタメ界と日本の問題点がわかる、良い本でした!
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by june_h | 2013-06-22 20:58 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)