【ネタバレあり】キフシャム国の冒険@紀伊國屋ホール

全公演が終了したようですので、ネタバレ含む感想を書きます。

芝居の冒頭は、なんとなく気恥ずかしいシーンが続いて、このままだったらどうしようと思ったのですが、全ては、ラストに続く複線だったことが理解できました。

鴻上さんのお芝居は、テーマが一貫しているように思います。
描かれるのは、学生運動だったり、カルトだったりするのですが、究極的には、親子関係の問題と、そのトラウマに帰結していると感じています。
この芝居で、この問題を背負っていたのは、Kis-My-Ft2の宮田俊哉演じるキフシャム国の王子でした。

キフシャム国の呪いを解くため、亡き父王に会いに冥界へ旅立った王子ですが、本当は、亡くなった母親に会いたかったのです。
しかし、母親なんかに会いたくないと、自分にウソをついたため、冥界をさまようことになってしまいます。
冥界の門番は
「自分にウソをつかない限り、冥界は、おまえにウソをつかない」
と、言っていましたから。

また、冥界の父王が優しさを見せた時
「これは、ニセモノだ!アヤカシだ!」
と、王子は見破りました。
生前の父王は、母親や息子に厳しく当たっていたからです。
この時、ナウシカのことを思い出しました。
ヒドラが作り出した楽園で、優しい母親が偽物だとナウシカが見破ったのは、生前の母親がナウシカを愛していなかったから。

親子だからって、必ずしも愛し合っているわけではない。
近しい親子だからこそ、葛藤が大きくなることもある。
そんなふうに実感しました。

そして、ひょんなことからキフシャム国を旅することになった主婦。
彼女は、震災で夫と息子が行方不明になった後も、2人の帰りを待つため、避難せずに自宅に残っていました。
そして、帰ってきた息子の幻影を見るようになるわけですが、きっと、この「息子」は、彼女の無意識ですね。
冥界の夫に会うため、キフシャム国を旅する決心をさせたのは、この「息子」。
無意識では、現実に向き合うことを望んでいたのです。

そして、冥界で再会した夫の姿は、リアルなもの。
妻が望んでいる優しい夫ではなく、長年の不貞に許しを請うという、妻が知らなかった夫の姿でした。
現実って残酷・・・・・。
ファンタジーの世界なのに、現実を突き付けられたのです。

そんなわけで、今回のお芝居は、自分にとって、非常に重たいものを残しました。
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by june_h | 2013-06-24 11:50 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)