2013年 07月 15日
「CUEのキセキ クリエイティブオフィスキューの20年」 メディアファクトリー
この事務所は、『水曜どうでしょう』で大泉洋と一緒に旅をする鈴井貴之と、彼の奥さんの亜由美さんによって設立されました。
この本は、オフィスキュー所属タレントやファンから「副社」と親しみをこめて呼ばれている亜由美さんの目から書かれたもの。
副社が本を書くなら、鈴井さんの暴露本を期待していた私ですが(笑)、期待に反して、事務所の20年の「あゆみ」が、至極まっとうに書かれていました。
鈴井貴之の主宰する劇団に、亜由美さんが憧れて入ったのが、そもそもの二人の出会い。
劇団内で暴君のように振る舞う鈴井さんに、劇団員達は恐れを抱いていましたが、亜由美さんだけは、彼の虚勢と孤独を見抜き、決して恐れませんでした(笑)。
鈴井さんと劇団を支えるために亜由美さんは、懸命に働き、芸能事務所を設立。やがて社長の鈴井さんと結婚します。
鈴井さんは、「一応」社長ですが、実務よりアーティスト寄りなんです。
著書『ダメ人間』にもあるように、借金を作ったり、浮気したり。ホントに社長かな?って思うんですけど(笑)。
その点、亜由美さんは、アーティストにはなれなかったけど、経営とプロデュース能力が抜群。芸能事務所と飲食店経営と子育てを同時にしていたなんてスゴい!
何より、旦那と事務所への愛が誰より強い!
所属タレントも、亜由美さんを姉や母親のように慕っています。
『ドラバラ鈴井の巣』で、森崎博之が半分ドッキリで亜由美さんに電話した時、
「みんなのためなら、なんでもやるよ!」
って、即答していた亜由美さんがカッコいいと思いました。
でも、亜由美さんだけで事務所を大きくできたとは、私は思いません。
鈴井さんが広げた大風呂敷を実現するのに一生懸命働いているうちに、こんなに大きくなっちゃった!という印象。
ごく普通の男性と結婚していたら、彼が望む生活範囲の中で暮らしていたかもしれません。
巻末に、鈴井さんと亜由美さんのツーショット写真と対談があります。
鈴井さんって、亜由美さんの前では、ちっちゃい子みたいですね(^^;
去年、鈴井さんが社長を退任して「会長」になり、亜由美さんが社長に就任したそうで。
今後のお二人に期待です!