「アンティーク・ディーラー 世界の宝を扱う知られざるビジネス」 石井陽青 著 朝日新聞出版

著者は、お宝を求めて世界中を飛び回るアンティーク・ディーラー(骨董商)。
アンティークと、それを取り巻く人達との関わりを通じて、彼が経験してきたことがまとめられています。

アンティーク・ディーラー 世界の宝を扱う知られざるビジネス

石井陽青 / 朝日新聞出版


骨董商の息子として生まれた著者は、自然とアンティークに慣れ親しむようになりました。
そして、骨董市で貯めたお金を元手に、世界中を旅します。

旅の目的は、掘り出し物を見つけること。そして、アンティーク・ディーラーとしての人脈と信頼を築き上げること。
この仕事は、同業者同士の信頼関係が命。
人間に対してもアンティークに対しても「見る目」がなければ、偽物をつかまされてしまいます。

彼が主に扱うのは、ガンダーラ仏のような仏像や、古代のトンボ玉、そして、カメオ。
これらを求めて、アフリカの奥地や紛争地域へ向かうことも。

しかし、このような地域では、苦労が付き物。
骨董店とグルの空港職員に品物を没収されたり。
アフリカでマラリアに罹って体重が10kg以上落ちたり。

それでも彼が僻地へ向かうのは、まだ見ぬ掘り出し物を見つけるため。
これこそが、アンティーク・ディーラーの醍醐味なのでしょう。

しかし、このような「掘り出し物」は、年々、減ってきているといいます。
単純に、捨てられたり壊されたりしていること。
年々価値が上がることから、有力な投資目的と見なされるようになり、掘り尽くされるようになったこと。
そして、各国の持ち出し規制が強まってきたことも挙げられます。

アンティークの定義は、100年以上経ったものということだそうですが、世界中の良品が集まるロンドンでも、アンティークの取り引きは減り、100年未満のヴィンテージが目立つようになっているそうです。
また、ディーラーの数も減ってきていて、目利きの知識や技術が失われつつあるのも問題だということです。

最近のアンティーク事情で見逃せないのは、中国人の台頭。

不動産を所有できない中国人は、アンティークなどの動産を所有する傾向が強く、経済力もついてきたため、世界中のアンティークを高値で集めています。
バブル時代にアンティークが集まった日本にも、大挙して買い付けにやって来ます。
アンティークの流れを見れば、景気の良い地域がわかるということです。

興味深かったのは「曰く付きのアンティーク」。
彼が実際に売っていた19世紀イギリスのダイヤモンドの指輪は、はめると身体の具合が良くなったそうです。
そして、持ち主を危険から守る「ジー・ビーズ」と呼ばれるチベットのビーズ玉。
中華航空が名古屋に墜落した時、ジー・ビーズを身につけていた人が助かったことから、台湾で大ブームに。
今では、本物なら1つ1000万円以上の大変な高値がついています。

この本には、カメオやトンボ玉の真贋の見極め方も解説されていますが、実際の品物を見ながらでないと難しいですね。
あと、私は、カメオに全く興味がないので、カメオの解説は、読み飛ばしました(^^;

私自身は、アンティークを見るのは好きですが、所有することには、全く興味はありません。
そもそも高いし、場所取るし、維持が面倒だし・・・・・庶民の発想ですね(^^;
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by june_h | 2013-10-02 12:19 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)