三谷幸喜 演出「ロスト・イン・ヨンカーズ」@渋谷パルコ劇場

マチネは三谷幸喜、ソワレは野田秀樹という、内容的にも金額的にも贅沢な1日(^^;

舞台は、太平洋戦争中のニューヨーク州ヨンカーズ。
ユダヤ系アメリカ人の父親と息子2人。
借金返済のため、南部に出稼ぎに行く父親は、息子達を自分の母親(ミセス・カーニッツ)に預ける。

息子達は、厳しくて気難しい祖母が苦手。祖母の元で暮らすのをイヤがります。
ただでさえ落ちこんでいる2人の前に、クセのある叔母や叔父が次々現れ、家の中を引っ掻き回していく。
父親が向かえに来るまでの10か月、2人は無事に過ごせるのか!?

最初は、ミセス・カーニッツがいかに「意地悪婆さん」であるかを皆が語ります。
叔父や叔母も、小さい時から彼女に冷たくされてきて、トラウマを抱えていました。

でも、結局は、彼女に頼らないと、みんな生きていけないわけです。
口では悪口を言っていても、甘えているのです。
みんな、彼女の愛を渇望していたのです。

見ているうちに、どうしてミセス・カーニッツが意地悪になったのか、だんだんとわかって来ます。

精神遅滞の娘のベラに、
「おまえは子供のままでいい。大人になんてならない方がいい。責任を背負った人間は、イヤなヤツになるんだよ」
と言う彼女。

ユダヤ人の彼女は、ヒトラーによる迫害から逃れるために、6人の子供達を抱えてアメリカに渡った。
苦労しながら必死に子供達を育てるが、2人の子供を亡くしてしまう。
それ以来、もう誰も死ぬのを見たくないと、心を閉ざしてしまった。
生き残った子供達には、涙なんか見せるなと、厳しく育ててきたものの、本当は、一番泣きたかったのは、彼女自身だったのだ・・・・・。

私の父方の祖母も、彼女と同じく、6人の子供を産んで、2人を赤ん坊のうちに亡くしています。
なので、私の祖母とダブって涙が止まりませんでした。

登場人物の中では、2人の兄弟が、一番マトモに見えるのですが、それは、一番、苦労を知らないからかもしれません。

ベラ役は、中谷美紀。
アメリカのコメディドラマのようなテンションの高さに、最初は、ひきました(^^;
でも、クライマックスで垣間見せたベラの「女」の部分と、母親に愛されなかった悲しみを語る姿に、やっぱり中谷美紀が適役なのだと脱帽。
そして、「諸悪の根源」のミセス・カーニッツ役は草笛光子。
女優としての「品格」が勝負のこの役には、ピッタリでした。

この芝居を見て、祖母の墓参りをしておいて良かったと思ったのでした(^^;

※レビューぴあにも一部抜粋して掲載。
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by june_h | 2013-10-11 12:36 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)