「芸術実行犯」 Chim↑Pom 著 朝日出版社

Chim↑Pomは、男女6人のアーティスト集団。
東日本大震災直後、岡本太郎の壁画『明日の神話』に原発の絵を加えたことで、大きな話題になりました。

芸術実行犯 (ideaink 〈アイデアインク〉)

Chim↑Pom(チン↑ポム) / 朝日出版社


Chim↑Pomのメンバーで、正規の美術教育を受けたのは1人だけ。
共通するのは「面白いことをしたい」ということ。
そして、現代美術家の会田誠にインスパイアされたということ。

彼らは2008年、広島の空に「ピカッ」という文字を描くパフォーマンスをして、猛烈なバッシングを受けました。
そんな中、彼らに一番理解を示したのは、被爆者団体でした。
なぜなら、被爆者達もずっと批判にさらされてきたから。

一連の騒動によって、原爆を「残したい」「忘れたい」という矛盾を抱える日本の社会の空気を知ったのです。

カンボジアで地雷除去を「好きで」やっている元兵士の現地人と組んで、いろんなものを爆破するパフォーマンスをした時は、最終的にカンボジア政府の協賛を得ました。
『明日の神話』に加えた原発の絵は、最終的に岡本太郎記念館に寄贈されました。
今ではChim↑Pomは、現代アート界で世界的に有名です。

彼らの「作品」は、パフォーマンスそのものだけではなく、それに対するメディアや社会の反応もひっくるめたもの。
そして、こうした反応を彼らも「鑑賞」しています。

彼らは、自分達のパフォーマンスの
「作者だが、誰よりもハードコアな鑑賞者」
でもあると言い、
「本気で人類に伝えたい何かがある作家ほど、自分やアートの「影響力」というものを真剣に考え、スタンスは様々だが、公共に自分をさらしてきた」
と、冷静に分析しています。

私は、美術館によく行きますが、現代美術は、正直よくわかりませんでした。
しかし、会田誠の作品を知って、現代美術の「見方」みたいなものが、少しわかったような気がします。
彼の作品を見ていると、日本の社会の矛盾や、メディアのグロテスクさが、言葉無しにまざまざと伝わってきました。
「今まで見ていた世界が違って見える」
ことに興奮しました。

この本で紹介されているフランスのアーティスト JRも、こう言っています。
アートは世界を変えます。
アートは直接的に物事を変えるわけではありませんが、ものの見方を変えます。
アートが変えるのは世界の見方です。

Chim↑Pomのパフォーマンスは「面白い」です。
ヘタなシュプレヒコールにもならず、ヒトリヨガリなゲージュツにも陥らず、「面白さ」を失わない。

私は「面白い」をモチベーションにしている人は、信じられます。

「お金のため」とか「賞賛されるため」とか「世のため人のため」とかいうモチベーションでは、疲れることもあるますよね(^^;
なので、基本的には、
「面白いと思うことはする、面白くないと思うことはしない」
ってスタンスでイイって、この本を読んで、素直に思えるようになりました(^^;

だからといって、私は、快楽主義者ってわけじゃないです。
「面白い」に従って行動すると、結構しんどいこともあるからね(笑)。

話が逸れましたが、Chim↑Pomのこれからに期待です♪
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by june_h | 2013-11-01 11:59 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)