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【映画】バックコーラスの歌姫たち

マイケル・ジャクソンやスティーヴィー・ワンダーなど、世界的アーティストのバックコーラスにスポットを当てたドキュメンタリー映画です。

私が小さい時は、スポットライトを浴びているアイドルやアーティストをカッコいいって思っていました。
でも、大人になると、彼らを支える周囲の人たちの大切さが分かるものです。
むしろ、フロントに立つ人間より、実力があったりするんですよね。
この映画に登場するバックコーラスの女性達も、大変なプロフェッショナルばかり。

60年代アメリカのバックコーラスというと、楽譜を見ながら上品に歌う白人女性だけ。
やがて、歌って踊れてアドリブも利く黒人女性達が、起用され始めます。

彼女達の多くは牧師の娘。
教会でゴスペルを歌いながら育ったので、自然と音楽が身についていったというわけです。

70年代に入って、多くのアーティストがバックコーラスを起用。
アメリカのみならず、デヴィッド・ボウイやローリング・ストーンズなど、黒っぽい音を取り入れたいイギリスのショービジネス界にも波及していきました。

とにかく、この映画、全編で往年のヒット曲が流れ、自然と体が揺れます。
特に、ルーサー・ヴァンドロス。
めっちゃカッコいいー!

バックコーラスの女性達は、フロントのアーティストに負けず劣らず「血で歌っている」感じ。涙が出ます。

でもね。
こんなに歌がうまくても、バックコーラスからソロデビューして成功できるかどうかは別問題。

まず、ソロは、バックコーラスと求められるものが全く違うわけで。
バックコーラスは、周囲との調和やソロの引き立て役。
ソロは、強烈な個性とエゴがないと、やっていけません!

あと、ビジネス的な問題。
ソロデビューさせてあげると言われて歌ったら、声だけ使われて、別の人がデビューしていたり。詐欺!?
運良くデビューできても、プロデューサーと合わなかったり。

代わりは、いくらでもいるからと、売れなければそれで終わり。
歌がこんなにうまいのに、どうして売れないんだろう。
逆に、売れている人は、なんで売れたんだろうって不思議に思うくらい(^^;

過去の栄光と挫折を振り返りつつも、歌うことに対する情熱と愛情は変わらない彼女達。
こうした純粋さに心打たれて、また涙(T_T)

この映画を観ていて、バックコーラスだけでなく、バックのバンド、スタッフ、イベンターさん達などなど。
素晴らしい音楽をお客さんに届けてくれてありがとうって。
音楽を支える全ての人達に感謝したくなりました!

by june_h | 2013-12-17 12:39 | 映画 感想 | Trackback | Comments(0)