「松嶋×町山 未公開映画を観る本」 町山智浩×松嶋尚美 集英社

最近、町山智浩さんの映画評論にガンガン触れています。

松嶋×町山 未公開映画を観る本

町山 智浩 / 集英社


「面白い」「新しい視点をくれる」という、私がエンタメに求める2大要素を満たしてくれるからです!
作品そのものだけでなく、キャスティングや配給会社の裏事情、セリフにこめられた社会的背景、シーンの元ネタ、監督の生い立ちや思想、出演俳優のスキャンダルや下ネタ等々、多角的に紹介してくれます。

あと、作品の魅力をきちんと語っている点。
これって当たり前なことですけど、なかなかできないみたい。
自分の知識をひけらかすだけだったり、的外れな批評をしたり。
ひどい人は、作品を見ずに勝手なことを言っていたり(^^;

そして、町山さん自身が気に入った作品なら、どんなにマイナーでも無名でも、語り倒すこと!
人気とか興業収入とかに左右されず、自分の感性で伝えているから信用できます。
誰もが知っている映画をけなすこともあります(^^;
時々、想いが強過ぎて暴走することもあります(^^;;;

・・・・・前置きが長くなりましたが、この本では、TOKYO MXで放送されていた番組『松嶋×町山 未公開映画を観るTV』での内容がまとめられています。
日本では未公開の、アメリカのドキュメンタリー映画を紹介していた番組でした。

グローバル企業による世界の水利権の独占を描いた『Flow』。
アメリカの石油メジャーによるアマゾンの環境破壊を描いた『CRUDE』。

グローバリズムや環境問題もありますが、宗教絡みの映画も多いです。

子供達をキリスト教原理主義者に洗脳するキャンプを取材した『Jesus Camp』。
カトリック神父による性的虐待と、それを隠蔽したバチカンの欺瞞を暴いた『Deliver Us from Evil』。
コメディアンが、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教をおちょくる旅を描いた『Religulous』。

アメリカでは、キリスト教保守派が、生活や政治に大きな影響を与えていますが、日本では馴染みがないので、公開されないのでしょう。

私が興味を持ったのは、アーミッシュの生活を描いた『Devil's Playground』。
アーミッシュとは、キリスト教の一派で、18世紀の生活を続けるスイス系ドイツ人のコミュニティ。
非常に禁欲的で質素な生活をしています。
16歳から「ルムシュプリンガ(ラムスプリンガ:rumspringa)」とよばれる時期があります。
この期間は、コミュニティを離れて、普段は禁止されている酒やタバコ、ディスコなど、何をやっても許されます。
期間が終わると、コミュニティに戻るか、外の世界に出るか、選ぶことができますが、9割がコミュニティに戻ります。

どんなにドンチャン騒ぎや悪さをしても、飽きてしまうからだそうです(^^;

残りの1割は、外の世界に仕事と可能性を見つけた子供達か、ルムシュプリンガ中に悪さをしなかった子供達です。
子供達に自主的な選択権を与えているんですね。

興収が見込めないということで、これらの映画が日本で公開されないのは、残念です。
日本では、ある程度宗教に無頓着でも生活できますが、他国や国際情勢は、宗教を知らないと理解できないことが多々あるからです。

これらの映画には、ニュースだけではわからないことがたくさん詰まっています。
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by june_h | 2014-05-18 12:48 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)