「なぜ競馬学校には「茶道教室」があるのか 勝利は綺麗なお辞儀から」 原千代江 著 小学館

競馬学校で33年間、生徒達に茶道を教えている、裏千家教授 原千代江さんのエッセイ。

なぜ競馬学校には「茶道教室」があるのか: 勝利は綺麗なお辞儀から

原 千代江 / 小学館


競馬学校で茶道を教えて欲しいと頼まれた時、原さんは驚きました。
「厳しい体重管理をしている学生に、お菓子を遠慮なく食べて欲しかった」からというのが、学校側の説明です(^^;

最初は、もちろん、戸惑いもありました。
手伝いをお願いしたお弟子さんや、その家族からも「なぜ、競馬学校になんて行かなくてはいけないのか」と、反対がありました。

しかし、いざ始めると、生徒から評判がよく、30年以上続いています。
親子二代に渡って原さんの教えを受けたケースもあります。
お茶やお菓子を楽しめるのはもちろんですが、お辞儀が上手になったり、道具や馬に対して感謝したりできるようになるそうです。
武豊騎手のような一流の騎手は、実際に茶会に招かれることもあるので、原さんの授業が役に立ったと言います。

15、6歳で入学してくる生徒達は、原さんにとっては、子供や孫同然。
騎手として活躍しているかつての生徒さん達の馬券を買って、応援することもあるそうです。

原さんは、茶道の教授になる前、過酷な人生を送ってきました。

学生時代、自宅でガス爆発が発生。
大火傷を負い、顔がめちゃくちゃになり、自殺を考えるほど苦しみました。

その後、薬剤師を目指して薬局で働きながら勉強に励んだものの、国の制度が途中で変わって、薬剤師になれませんでした。

競馬学校の生徒の中には、様々な理由により、退学する生徒がいます。
また、卒業しても、落馬して大怪我を負い、騎手を辞めたり亡くなったりした生徒もいます。
原さんは、ご自身が多くの苦しみと挫折を味わっているので、こうした生徒達に対する眼差しが温かいのです。
学校を辞めると、こっそり原さんに打ち明けた生徒もいたんだとか。

この本の巻末には、原さんが教えた歴代の生徒達の名簿と共に、生徒達から贈られた寄せ書きが掲載されています。
彼女がいかに慕われているかがよくわかります(^^)
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by june_h | 2014-05-25 12:06 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)