「危険な宗教の見分け方」 田原総一朗×上祐史浩 ポプラ社

ジャーナリスト田原総一朗と、元オウム真理教信者で「ひかりの輪」代表の上祐史浩の対談。
タイトルに対して「おまえが言うか!?」と、思わず突っ込み(^^;

(008)危険な宗教の見分け方 (ポプラ新書)

田原総一朗 / ポプラ社


上祐氏は、元々、早稲田大学を卒業し、宇宙開発事業団に入社したエリートだが、会社組織の中では、結局、歯車の一つでしかなかった。
「ワン・オブ・ゼム(大勢の中の一人)」になりたくなかった彼に、麻原は、特別な存在であるという自尊心を与え、彼も麻原に傾倒していく。

しかし、盲目的な崇拝を求める麻原に、上祐氏は、グルとして彼を敬愛しつつも、心のどこかで従えなかった。
次第に、麻原と麻原の家族達は、上祐氏を疎んじ、遠ざけていった。

上祐氏は、麻原と、彼を取り巻く信者達の関係を、次のように分析している。

"強い霊媒体質で時々なにかを言い当てられれば、信者の前に本人自身が、自分を絶対視しかねません。実際には誇大妄想ですが、そのために、たびたび周りを振り回す行動をとる。
自尊心が非常に高いから、自分を認めない者には強い反感を抱き、被害妄想にも陥る。誇大妄想と被害妄想。こうなると、客観的には、精神的な問題を抱えていると言わざるを得ない。
ともかく、言動が非常に不安定で、良いことも悪いことも、そこから何が展開されるかわからない。麻原は、常にそんな状態だったと思います。"


"僕を含め、疑問を感じた者はいたと思います。しかし、その教えが説かれる前の段階で、麻原の与える神秘体験や麻原の霊能力を過大視し、麻原を高く評価してしまっていました。さらにヴァジラヤーナ(金剛乗)の教えでは、修行を早く進めるには、グルに対して無思考に従うことが重要だと説かれていました。グルの知恵は弟子には計り知れず、その言動が不合理に見えても、それに対して弟子が自分の考え方で疑問を持てば、エゴが増大して修行が進まない。それは、グルが弟子に与える精神的な訓練だと考えられていたんです。"

麻原は、自分の権威と自己肯定感を高めるために、権威を積極的に活用した。
多額の寄付をして、ダライ・ラマ法王やロシアの要人に会っている。

"他人へのマインドコントロールが、自分のマインドコントロールになるというのはあります。また他人を引き込む力は、自分が信じれば信じるほど強くなる。自分が確信を持って話すと、信者の反応も違う。"

麻原は、世界の終末を予言して、信者達をコントロールしていた。
ついには、その予言を実現するために、テロを計画・実行。
この後の顛末は、日本のみならず、世界中が知るところとなった。

そして、話はタイトルに戻る。
「危険な宗教の見分け方とは?」

"特定の神様や人を絶対視するほど、どこかで歪み、弊害や危険性が出てくるのだと思います(上祐氏)。"

この定義なら、オウム真理教のみならず、世界中の宗教が当てはまる。
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by june_h | 2014-05-28 12:02 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)