「解縛 しんどい親から自由になる」 小島慶子 著 新潮社

小島慶子さんのエッセイ。
自分の暗部を直視するのは、とても大変な作業です。
そして、それを曝け出すのは、非常に勇気の要ることです。
ここまでするのは、柳美里か小島慶子か、くらいのレベル(^^;

解縛: しんどい親から自由になる

小島 慶子 / 新潮社


彼女の母親は、上昇思考と虚栄心が強く、他人との上下関係や優劣に敏感でした。
そんな母親に育てられた小島さんは、親の価値観を受け継ぎ、親にかけさせられた「色眼鏡」で世間を見るわけです。

親の海外赴任先で出会った「階級が上」の人達。
学習院女子中・高等科の級友達。
卒なく振る舞う女子アナの同僚達。

自分より「上」の人達は、ズルくてイヤらしい人ばかり。
自分は、そういう人達とは違う。
心の中は、常に、嫉妬心と疎外感と自己卑下で満ちていて、気が休まりません。

私は、ほぼ同じ時期に小島さんと同じキャンパスにいて、小島さんと同じ境遇の、女子部出身の帰国子女の友達もいました。
家が裕福だったり、名家だったりする友達も中にはいました。
でも、私は、小島さんのように、彼らが羨ましいなどとは思わなかったのです(嫉妬するには程遠い家柄だったということもありますが(笑))。

私の場合は、親から
「人から与えられるものが多いほど不自由になる」
という「色眼鏡」をかけさせられていたので、彼らが不自由に見えました。

家の財力や出自が良いということは、先祖からもらっているものが、その分多いということです。
そういう家に生まれると、就職先や結婚相手などの選択で「やってはいけない(と思っている)こと」「かくあらねばならない(と思っている)こと」が多いのです。

コネで一流企業に難なく入った友達もいましたが、うっかり失敗も退職もできません。
自分のやりたいことと違うので、文句言ってましたし(^^;
それぞれ皆、悩みはあるのです。

小島さんが、自分を見つめ直すきっかけになったのは、摂食障害と不安障害に悩まされたことからだったそうです。
カウンセリングを受けている過程で、家族に対する違和感や、母親に対する反抗心を押し殺していたことに気づきました。
こういった気持ちを吐き出すことで、解放され、家族を客観的に見ることができ、感謝の念も生まれたそうです。

常に母親から「あなたを産んだ時の苦しみ」を聞かされて育ち、罪悪感を感じていたという小島さん。
でも、出会えた旦那さんは、何も要求せず、無条件で受け入れてくれたんだそう。
本当に良かった(^^)

私は小島慶子さんを「自分の言葉を持っている」数少ないアナウンサーだと思っていて、とても好きなのです。
小島さんが、自分の言葉を持つことができたのは、何に対しても逃げずに真っ正面から向き合ってきた証拠。
それがため、風当たりも強かったと思います。
嫉妬や孤独が積み重なって、自分らしく生きられるようになった今の小島さんがあるなら、決して無駄なことではなかったと思います。
応援しています。
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by june_h | 2014-11-05 12:39 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)