「一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教」 内田樹×中田考 集英社

内田先生と、イスラム国の事件で話題になった中田考さんの対談です。
メディアでは、中田先生が「テロリストのブローカー」のような報道っぷりでした。
それで片付けざるをえないんでしょうね。

一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 (集英社新書)

内田 樹 / 集英社


日本のメディアは、昔から
「イスラムって怖いですねー。
なんでこんなことするんでしょうねー」
のワンパターン。
「なぜ?」を掘り下げると、メディアのタブーであるアメリカの悪口になっちゃうからですよね。

イスラム教国家は、コーランの言葉であるアラビア語を共通語として、緩やかに連携できるはずなんです。
それを阻んでいるのは、欧米と、欧米シンパの各国支配層。
仲違いさせられているんです。

一つの理由は、イスラム国家共通の敵であるイスラエルをアメリカが守っていること。
そして、石油資源。
そんなわけで、仲違いしていた方が、欧米にとって都合が良いのです。
アルカイダやイスラム国のような「怖い」組織ができちゃったのは、欧米が散々、軍事介入だなんだと、ちょっかい出してきた結果だったりします。

内田先生は、更に突っ込んで
「アメリカがこんなにイスラムに突っかかるのは、アメリカの推し進めるグローバル化(世界のアメリカ化)は、イスラム教徒がいる限り、真の意味で達成できないからではないか」
と言います。

そこで、中田先生が提案しているのは「カリフ制」。
中東に「国家」という枠組みがもたらされたのは、戦後のこと。
それまでは、カリフ制で、緩やかに連携していました。
戦後は、争いごとばかりでまとまらないので、国家というシステムは、中東には合っていないのかもしれないと、中田さんは言います。

何にせよ、アメリカにとっては都合の悪い話なので、中田さんは「アメリカのおたずね者」なんだそうです。

日本だって、対岸の火事だと言っていられません。
だって、日中韓、仲違いさせられているでしょう(^^;

今の日中韓の経済力をもってすれば、ここ数百年の欧米優位の世界情勢をクルッと変えられそうなんですけどねぇ。
なのに皆、お互い、自分のことしか考えてないし、自分達の利益のために争いを煽っている人達もいますから。
本当に、いろんな意味で残念!

中田さんは、イスラム教に改宗して、イスラム教を内側から理解しようとした方。

「イスラム教は、日本より自由ですよ。
宗教の戒律以外は、わりと自由だからです。
むしろ日本の方が、実生活に不文律が多いから」

と、先生は仰いますけど、それは、男性に限っての話でしょう!
女性に関して言えば、絶対に日本の方が自由ですってば!

何はともあれ、この本は、一神教であるイスラーム・キリスト教・ユダヤ教について、そして、今のイスラム圏についていろいろ理解が深まる本です。
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Commented by REI at 2015-02-15 07:56 x
そうですよー。こっちのアラブ系のレストランかバーで女性がシーシャを吸ってると、「女のくせになんだよ」とかいちゃもんつけてくる男性客がいるそうですよ。まあ、身体への害はタバコの50倍とからしいので、女性は吸わないに越したことはないですけど。
Commented by june_h at 2015-02-15 12:14
>REIさま
水タバコの方が害が強いんですね・・・・・。水だからなんとなく、タバコよりイイ感じがしてました(なんていい加減な認識)。
イスラム教は、男性にとっては天国ですけど、女性にとってはねぇ(^^;
by june_h | 2014-11-23 12:09 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)