「日本語とハングル」 野間秀樹 著 文藝春秋

面白かった!
日本語と韓国・朝鮮語の比較言語学ってやつです。

日本語とハングル (文春新書)

野間 秀樹 / 文藝春秋


日本語と韓国語って、文法も語彙もよく似ています。

英語を勉強するよりずっとラク!
ハングル文字も合理的で覚えやすい文字なので、3日も勉強すればすぐに読めます(^^)

で、この先生が仰っているのは、日本語の文法や用言の活用を、ハングルの観点から説明すると分かりやすくてスッキリするよ!というお話です。
ただ、これは、日本語の源流が朝鮮半島にあるということを言っているわけではありません。

まず、古代の朝鮮半島と日本列島に、古代中国から漢字と読み方(音韻)が伝わりました。
その後、日本語と中国語は、音韻が変化してしまったけれど、朝鮮半島には古い中国語の音韻が残っているということなのです。

「古い音韻」というのは、音節が子音で終わる子音語幹のこと。
今の日本語と中国語には、ほとんどありません。
でも、韓国語の場合、母音語幹と子音語幹とで、明確に活用が区別されています。

「買う」は「사다(sada)」。語幹は「사(sa)」で、母音語幹。
「買います」は「사요(sayo)」。「사(sa)+요(yo)」と活用します。

「住む」は「살다(salda)」。語幹は「살(sal)」で、子音語幹。
「住みます」は「살아요(salayo)」。「살(sal)+아요(ayo)」と活用します。

日本語も、子音語幹の名残があるのです。
例えば「着る」と「切る」の基本形は同じに見えますが、活用が異なります。
この違いは何か?

「着る」の語幹は「ki」で母音語幹。
「着ます」は「ki+masu」。「着ない」は「ki+nai」と活用します。

「切る」の語幹は「kil」で子音語幹。
「切ります」は「kil+imasu」。「切らない」は「kil+anai」と活用します。

子音語幹と母音語幹で活用が異なる韓国語を参考に考えると、納得できます。
現代の日本語文法は、現代の日本語の概念だけでは説明できないんですね(^^;

学校で教える文法は、「橋本文法」と呼ばれていて、戦前の学者の橋本進吉の説が基になっています(と、サンキュータツオさんもラジオで仰っていました)。
橋本文法では、上記の「着る」は、「着ない」「着ます」で上一段活用、「切る」は、「切らない」「切ります」で五段活用と説明されています。

でも、その説に合わない用例も当然あるので、様々な説があります。
だってみんな、文法に基づいて日本語を使っているわけじゃないですからね(^^;

そもそも「文法」も「言語学」も、ヨーロッパの言語を土台に発達したものなので、概念を日本語にそのまま当てはめるのは、無理な部分もあります。

韓国語は日本語と似ているので、比較すると、違いがいろいろわかって面白い!
この分野の、今後の研究が楽しみです(^^)
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by june_h | 2014-12-13 08:56 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)