「天皇はなぜ生物学を研究するのか」 丁宗鐵 著 講談社

丁先生は、小さい時からカビやコケを顕微鏡で観察するのが好きでした。
顕微鏡の専門誌を読んでいると、(昭和)天皇陛下がしばしば登場するので、疑問に思ったそうです。
どんどん調べていくと、見えてきたのは、意外な事実でした。

天皇はなぜ生物学を研究するのか (講談社+α新書)

丁 宗鐵 / 講談社


昭和天皇は、粘菌や海洋生物の研究と分類について、学者として多大な功績を残されています。
分類学の父と言われるカール・リンネの名を冠したロンドン・リンネ協会の名誉会員でもあります。
研究著書もたくさん出版されています。

昭和天皇は、本当は、歴史学を希望されていたそうですが、危険な政治に巻き込まれる可能性があるとして、側近は生物学を勧めました。

それから、他に重要な理由がありました。

日本の皇室として、欧米列強の王室や上流階級と交流するのに、生物学や博物学は、必須教養だったからです。
まず、お金や時間が無いとできない学問ですし、植民地経営のために、現地の状況を知る手段でもありました。

教養は、上流階級にアクセスするためのパスポートなのです。

今上天皇は逆に、生物学専攻を希望されていたそうですが、「帝王学のため」に政治経済学部へ。
皇室は、学問も自分の意志で決められないんですね・・・・・。

明治時代以前、様々な分野で研究を残した大名も紹介されています。
このことは、「江戸大名の好奇心(中江克己 著 第三文明社)」でも読みました。

丁先生は、医師ですが、歴史も詳しいんですね!
自分から興味があって研究して、自分の頭で考えているのが、よくわかる文章です。
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by june_h | 2015-02-15 12:20 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)