「なぜ時代劇は滅びるのか」 春日太一 著 新潮社

著者の春日さんは、30代の映画史・時代劇研究家。
町山智浩さんやサンキュータツオさんと一緒にイベント出演していて気になりました。
声がステキな方ですが、中身はマニアックなド変態(^^;
こういう方、私、好きです(笑)。

なぜ時代劇は滅びるのか (新潮新書)

春日太一 / 新潮社


映画やテレビで、盛んに制作され、大人気だった時代劇。
どうしてこんなに凋落してしまったのか、主な理由は、
「目先の利益にとらわれてしまった」
「後継者を育ててこなかった」
ということですが、これは、他の分野でも起こっていますし、日本全体にも、下手をすれば世界全体にも言えますよね。

また、時代劇を制作するシステム、スポンサー、監督、脚本家、役者それぞれの問題点を、忌憚なく、実名で語っていらっしゃいます。

役者に関しては、昔は、所作や発声をみっちり教えてくれる人がいましたが、最近の若い役者さんは、教えてくれる人も、稽古する時間も無いので、まるでカタナシなのだそうです。
事務所が、CMなどで手っ取り早く稼ぐことしか考えておらず、じっくり育てようという気も無い。
『仕掛人・藤枝梅安』の岸谷○朗なんて、自然体とカタナシをはき違えているのだと、手厳しい意見でした(^^;

あと、最近の大河ドラマでさえ、
「ご都合主義」
「キャラ先行」
な脚本になっているのだと言います。

私も、最近の大河ドラマはつまらないです(爆)。
たとえ、戦国時代の有名人が主人公でも、歴史的にポイントとなる事件に全て関わってくるわけではないだろうに、無理やり主人公を乱入させたり(笑)。
まるで、歴史全体を把握しているような登場人物がいたり。
史実を追うのに必死なのか、一つ一つのシーンがツギハギにみたいにブツ切れで、感情もストーリーも流れが悪いし・・・・・。

ぶっちゃけ、同じ30分間でも、韓流ドラマの方が面白いです(笑)。
いろいろ納得することが多い本でした(^^;

春日さん出演・解説で、面白かった動画があります。
明治時代に起こった八甲田雪中行軍遭難事件。
名目上は日露戦争の訓練だったけど、実は、全員を殺す目的で無謀な雪中行軍を命じたとか!?裏には陸軍内の長州閥と薩摩閥の勢力争いがあったとか!?
興味深い話でした。

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Commented by oomimi_usako at 2015-10-04 00:18
BSで、昔の大河ドラマの再放送をしていますね。
それを見ていると、いまとはだいぶ雰囲気が違いますね。
確かに以前の方が、面白いと思います。

いろいろ理由はあるとは思いますけれど、
作り手の問題ばかりでもなく、
受け止める側の人々の、感覚の違いというか、
TVに求めるものなどが、最盛期とはだいぶ違うということも有ると思いますよ~。

Commented by june_h at 2015-10-06 15:33
>usakoさま
この方は、1960年代の時代劇映画全盛時の頃からの作品を、全部追っている方なので、今の時代劇はホントにチャチに見えるでしょうね(^^;
確かに、受け手も変わりましたよね。座ってじっくりテレビを見る人は少ないでしょうし、難しい言葉を知る人も少なくなりましたし、なによりネットが発達して、ドラマの感想が大勢にダイレクトに広まるので、作り手も無視できないでしょうし。テレビの位置づけも随分変わったと思います。
私が小学生の頃『独眼竜政宗』が流行っていて「きょーえつしごく」って、学校で皆言ってました(笑)。大人になってから改めてこのドラマを見て、言葉遣いがかなり難しいので、よくこんなドラマ見てたなって思いました。ストーリーが面白かったので、言葉遣いは気にならなかったのかもしれません。
by june_h | 2015-10-03 14:49 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)