「止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記」 松本麗華 著 講談社

オウム真理教教祖 麻原彰晃の三女のエッセイ。
マスコミにも「アーチャリー」という名で、たびたび登場していたので、ご存知の方も多いと思います。

止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記

松本 麗華 / 講談社


私の「アーチャリー」に対するイメージは、ワガママで尊大。
小さい時から、教祖の娘の中で一番可愛がられ、信者達に「最終解脱者」として神や仏の如く崇め奉られてきた存在。

でも、実際の彼女は、ごく普通の女の子。
父親が大好きだけど、なかなか会えない。
幹部とは名ばかりで何もできない。
御付きの信者に囲まれてはいたけれど、不安と寂しさを抱えながらの幼少期でした。

彼女の人生が大きく変わったのは、父親の逮捕。
以降、教団内部は混乱し、彼女も家族も、一時的に記憶を失うほどの出来事が、次々と襲ってきます。

家族や他の教団幹部達は、彼女の名を語って、信者達を動かそうとしました。
教祖が一番目をかけていた「アーチャリー」の言うことならば、信者は従うからです。

彼女が望んだのは、教団の中での特別な存在としての自分ではなく、実社会でのごく普通の生活でした。
当たり前のように学校に通い、仕事をする。
しかし、「オウム真理教の幹部」である彼女には、非常に困難でした。
合格した学校に入学拒否され、バイトもクビになる。
そんなことが繰り返し起こりました。

以前、四女のエッセイ『私はなぜ麻原彰晃の娘に生まれてしまったのか』を読んだことがありますが、その本とは事実が食い違う部分もあります。

何が善いとか悪いとか、ウソかホントかとか、全部置いておいて、彼女が体験している出来事と、それに対する彼女の感情だけを考えると、なんて苛酷な人生なんだろうと思います。

そんな人生の中でも、彼女を親身になって支えてくれた信者や、学校の友達、弁護士がいたわけで。

教団幹部だった彼女は、一生、公安の監視から逃れられないそうです。
現在、彼女は、オウム真理教の被害に遭った人達の手記を読んだりして、教団が起こしたことに向き合っています。
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by june_h | 2016-01-24 11:44 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)