2016年 02月 14日
「世界史を変えた薬」 佐藤健太郎 著 講談社
有名な話が多いので、既に知っているエピソードも多かったのですが、ヴァチカンは沼地なので、マラリアが起こりやすく、コンクラーベの最中に枢機卿や教皇が何人も亡くなっている、という話は興味深かったです。
それで、イタリア半島統一目前だったチェーザレ・ボルジアと、父親の教皇アレクサンデル6世(ロドリーゴ・ボルジア)が同時にマラリアに罹るという悲劇が起こってしまったのですね(^^;
抗菌薬としてペニシリンが発見される前は、サルファ剤が使われていたとか・・・・・ふーん、硫黄ね(笑)。
スルホンアミド基がそういう作用を起こすそうです。
アメリカは、ペニシリンの研究に、第二時大戦中、マンハッタン計画に次ぐ資金を投じていたんだとか。
日本軍も、こうした抗菌薬を研究していたようですが、実用化には至らず、南方戦線で多くの日本兵が感染症で亡くなったのです。
戦力の違いは、原爆のような武器の性能だけではなかったというわけです。
エイズウイルスの発見では、米仏の研究者間で研究データを盗んだ盗まないで裁判になり、国際問題にまで発展したそうな。
研究者自身の名誉だけではなく、莫大な富や国力の大きさにまでつながるわけですから、みんな必死です(^^;