【ネタバレ御免】『僕たちの好きだった革命』@新宿シアターアプル

カーテンコールが鳴り止まない!
とうとう最後に鴻上さんが出てきて
「主役がサヨナラって言ってるんだから終わりなんだよ!」
とニコニコしながらブチ切れていました(笑)。そんな舞台でした。

僕たちの好きだった革命

鴻上 尚史 / 角川学芸出版


タイトルからもわかるように、学生運動が絡む話なので「シュプレヒコールみたいな舞台だったらヤだな・・・・・」なんて考えていたのですが、全然そんなことはなく、おもしろくて楽しくて、ホロリとする良いお芝居でした。
送りバントのようにコツコツと積み重ねられていく、堤幸彦の細かい笑いと、最後に必ずホームランを打ってくる、鴻上尚史の巧みなストーリー展開。この二人のコラボレーションは大成功だったのではないでしょうか。

1966年、学生運動の最中に意識不明になり、30年ぶりに目覚めた主人公と、1999年のイマドキの高校生たち。最初はかみ合わないけど、文化祭という一つの目標に向かって、だんだん一つになっていきます。60年代は学生運動で、90年代はコンサート。熱い気持ちのぶつけ先は違うけど、その根底に流れる想いは、今の学生も昔の学生も変わらない。かみ合わない会話をしながら、ぶつかり合いながら、お互いにだんだんそのことを理解していくのです。

文化祭に向かう息子に、パン屋の父親が「今度は負けるなよ!」と言いながら、かつて自分が学生運動で使っていた、ボロボロのヘルメットを渡すシーン。それまでロクに会話をしなかった親子がつながった瞬間がありました。

この舞台は、学生運動を礼賛するわけでも、批判するわけでもありません。誰も語ろうとしないことで、なかったことにされようとしている60年代。でもその時の「影」は未浄化のまま、30年後
の生活にも確実に漂っている。確かに、結末はあまり良くなかったかもしれないけれど、その時抱いた熱い想いまで、なかったことにしないでほしい。どうか60年代を受け入れて「成仏」させようという、鴻上さんの思いが、主人公の言葉によく表れています。

そして、クライマックスで明かされる、ある言葉とその語源。60年代の高校生と今の高校生が、こんな言葉でつながっていたんだ・・・・・衝撃的で感動的でした。
そしてそして、けだるい教室の日常と、今も世界のどこかで起こっている戦争という現実が一瞬でつながるラストの演出も素晴らしかった。

是非、当初の予定にあったように、映画化してほしい作品です。そして、たくさんの親子に観てほしい作品です。

P.S.
「K.T.(稽古場ブログで伏せられているのでイニシャル)」と「チョコボールムカイ」という言葉を聞いて、大笑いしてしまった私。まさかこんな所でその名を聞こうとは。・・・・・知ってる私ってどうなのよ(笑)。
[PR]
トラックバックURL : http://juneh.exblog.jp/tb/4891698
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
by june_h | 2007-03-05 11:09 | 観劇 観戦 コンサート レポート | Trackback | Comments(0)