『俺がJBだ!-ジェームズ・ブラウン自叙伝』ジェームズ ブラウン 、 ブルース タッカー著 文藝春秋

先日亡くなった、ファンクの帝王、ジェームズ・ブラウンの自伝。

俺がJBだ!―ジェームズ・ブラウン自叙伝 (文春文庫)

ジェームズ ブラウン / 文藝春秋


ジェームズ・ブラウンのグルーヴには湿っぽさがない。シビアなほどにカラッと乾いている。
不安定な家庭環境。容赦のない黒人差別。貧困と暴力が支配するアメリカ南部の社会。彼は生まれ落ちたときから過酷な環境の中で呼吸し、這いずり回り、犯罪にも手を染めながら、内から湧き上がる歌を命綱にして、観客の罵声と賞賛の中で、ショウビジネスの世界を這い上がっていった。彼の周りで、力の無い者は酒と麻薬と孤独の中で次々と死んでいく。彼の生い立ちも音楽もドラスティックだ。

私は彼の武道館公演に2度行った。「なになに?こんなサックスの音、初めて!」「ベースかっこ良過ぎる」とにかくバンドのレベルの高さに、びっくりして口が開きっ放しだった。もし、60年代のアメリカ南部のライブハウスで、こんな音楽を聴いてしまったら、魂までJBのリズムに乗っ取られてしまう・・・・・。気持ち良さを通り越して、恐怖心すら抱いてしまった。

今は、一人でもステージができるツールや環境があるけれど、昔は一人では何もできないし、バンドも大人数だったから、まとめ上げるのが大変だ。バンドメンバーとの軋轢もたくさんあったし、彼の音楽に対するレコード会社の無理解とも戦い続ける必要があった。しかし、人々は、彼のライブパフォーマンスに拍手を惜しまなかった。彼もまた、自身の持つ強い生命力そのままに、一生ステージに立ち続けた。たくさんのアーティストが彼の音楽をリスペクトし、昔も今も、アメリカのブラックミュージックのみならず、世界のミュージックシーンに影響を与え続けている。本を読み進めていると、往年の彼のヒットソングや、彼と関わったビッグアーティストの名前が次々と出てきて、彼らの歌を頭の中で鳴らしながら読むと、面白さ倍増だ。

彼のCDだけではなく、この本を読んで、JBの、ど演歌、ならぬ、どファンク人生を堪能して欲しい。

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by june_h | 2007-04-08 10:09 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)