『鴻上尚史のごあいさつ1981-2004』 鴻上尚史 著 角川書店

鴻上尚史が主宰している舞台を観に行くと、ほかの演劇のビラと一緒に、必ずあるものが配られます。
鴻上尚史の思いが綴られた、大学ノートのコピー。それが「ごあいさつ」です。この本には、1981年の第三舞台旗揚げ公演から、2004年の『ハルシオン・デイズ』までに配られた「ごあいさつ」が収録されています。

鴻上尚史のごあいさつ―1981‐2004

鴻上 尚史 / 角川書店


私が初めて「ごあいさつ」を劇場で受け取ったのは、この本の最後にある『ハルシオン・デイズ』から。以来欠かさず、鴻上さんのお芝居と一緒に、この「ごあいさつ」を楽しみにしています。
気づけば、本編よりも「ごあいさつ」を楽しみにしている自分がいます(笑)。なぜかはわかりませんが、この「ごあいさつ」を読んで、「鴻上さんと結婚したい!」などと思ってしまいました(^^;;;

「エッセイでは、作者の恥ずかしいことは意識的に隠されてしまう。でも、芝居や小説は、作者の無意識的な部分が出てくる。だから面白いんだ」
とは、私の知り合いの言葉ですが、鴻上さんに限って言えば、エッセイのほうが芝居よりも自分が出てます(笑)。こんなことまで書いちゃっていいのかしらん、と、こっちがドキドキしてしまうほど。だから面白いんですけどねー。

最初のごあいさつが書かれてから、まだ本に収録されていない現在までのごあいさつを合わせると、四半世紀以上経っているのですが、鴻上さんの考えていることは、ほとんど変わっていません。
ミもフタもないくらい大雑把に言えば、愛ってなんだろう?とか、生きるってタイヘンだ!とか、ありきたりな内容だけれど、一つ一つの言葉が深くて「うん、わかるわかる」って納得しちゃう。鴻上さんのお芝居や本を読んでいると、昔から私のことをよくわかってくれている人と、ひとしきり話したような爽快感が得られるのです。
でも、そう思うのは私だけではないはず。彼の言葉が多くの人の気持ちに響くのは、きっと、彼が何事も真面目に真正面から全身でガーッと受け止めて、いっぱい傷ついて、その結果手に入れてきた言葉達だからだと思うのです。ちょっと、説教臭く感じてしまう箇所もありますが、彼のご両親は、共に教師だったということで、「芸風」と思いませう。

失恋したり、受験に落ちたり、何かに挫折したことのある人なら、彼の一つ一つの言葉の意味が、この本の面白さが、きっとわかるはずです(笑)。

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by june_h | 2007-04-22 20:10 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)