『痛快!歌舞伎学』 小山観翁 著 集英社インターナショナル

集英社インターナショナルから出版されている「痛快!~学」シリーズの歌舞伎編。
執筆者は、歌舞伎のイヤホンガイドでお馴染みの小山観翁さん。私は彼のイヤホンガイドが一番面白くてスキです。

冒頭部分は、彼の家の話だったり、イヤホンガイドの自慢話だったりして「アタシは歌舞伎について知りたいの。あんたの話を聞きたいんじゃないの(-_-#)」と、怒りながら読んでいたのですが、いろんな歌舞伎入門の本の中で、この本の内容が一番印象に残っているんですねえ。それは何故かというと、小山さんが面白いと思っていることだけを載せているからかな?

ほかの入門書は、歌舞伎をなるべく客観的に、分かりやすく解説しようとしています。でも、歌舞伎は客観的に分析されても面白かぁない。あらすじや人物相関を忠実に再現されても、複雑に感じるだけだし、そもそも登場人物の名前が難しいしから、やっぱ歌舞伎は敷居が高い!って投げ出しちゃう。それより「この芝居で十五代目市村羽左衛門は西洋人とのハーフだったから、高い鼻を見せつけるために横顔で見得を切った」みたいな話のほうが面白い。

本で読むより、歌舞伎通の人と一緒にお芝居見ながら解説してもらうのが、一番良いんですけどね。

小山さんの話は歌舞伎だけにとどまらず、絵島生島事件の真相や、浮世絵の東洲斎写楽の正体など、多岐に渡ります。
特に興味深かったのは、江戸時代の芝居小屋のお得意様だった大商人のお嬢様達の話。
芝居見物が決まったお嬢様は、その日に着ていく着物をキャアキャア言いながら何枚も新調し、当日、お共の人を連れて屋形船に揺られて芝居小屋へ(屋形船の乗り降りの方法まで書いてある)。実際のお芝居が始まると、幕間(休憩時間)ごとに、着物を着替えたそうな。
今も歌舞伎座に行くと、晴れ着の人をよく見かけますが、江戸時代のお嬢様の気合いの入れ方はスゴいです(^_^;)

ああ、私も江戸時代のお嬢様になって、屋形船で芝居見物に行ってみたい(*^_^*)

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Commented by rudolf2006 at 2007-04-27 03:59 x
june_hさま お早うございます。

オッチャンの朝は早いんです、爆~。
小山観翁さんは、昔から歌舞伎を観ておられて、戦前の舞台なんかも良くご存じですよね、私なんかが観たこともない舞台の思い出なんかも面白いですよ。そういう古老がどんどん亡くなって逝かれています。小山さんには是非長生きして、頑張って欲しいですよね。それに、若い役者にダメだしをして欲しいですよね。今は、もう五月蝿い役者がいなくなったようで、こんな舞台ではダメだという役者衆がいなくなったようで、寂しいです。

六代目の歌右衛門丈は、生きておられた間は、舞台に出られなくても、だめ出しをかなりされていたようです。

ミ(`w´彡)
Commented by june_h at 2007-04-27 21:54
rudolf2006さま、こんばんわ!
いつも書き込みありがとうございます。
最近、仕事やらなんやら忙しくて更新がなかなかできず、寂しい思いをしておりました。

本当に、小山観翁さんは、いろいろお詳しいですよね。伝説の十五代目市村羽左衛門の舞台もご存知ですし。小さいときからの積み重ねがあるから、味わい深くて面白いガイドができるんだと思います。役者の演技そっちのけで、小山さんのガイドに笑っちゃうお客さんとかいますからね(笑)。
歌右衛門さんは、いろんな伝説を持っておられたようで、まさに歌舞伎界に「君臨」されていらしたんですよね。そういう方って、怖いけど、いなきゃいないでとっても困りますよね。
by june_h | 2007-04-26 20:55 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)