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河合隼雄さん死去

文化庁長官の河合隼雄さんがお亡くなりになりました。

私が彼の存在を知ったのは高校時代。古今東西の民話や物語をユング心理学の観点から解釈している本でした。この本で私は『ゲド戦記』を知りました。

その後大学では、心理学を勉強したので、河合隼雄先生の著作を、課題でもプライベートでもたくさん読みました。特に実践的なカウンセリングに関する著作には、人の心に対する深い洞察力と、多くの経験に裏打ちされた豊かな文章に、何度ため息をつかされたか知れません。「心の職人」のような方でした。

肩書きとして「ユング心理学者」といつも紹介されていましたが、日本人の民話の研究やカウンセリングの経験から生まれた理論は「河合心理学」の趣すらありました。

私のゼミの先生が亡くなったときの弔辞を、先生がお読みになっていて、お葬式に参列していた私はちょっと驚きました。そういえば、あれからちょうど十年。なんかいろいろ思い出しました。

先生の残された著作は、これからもたくさんの人に読まれるだろうし、心理学のテキストとしても、ずっと残っていくのだろうと思います。

心からご冥福をお祈り申し上げます。
Tracked from 沈黙のしのしのし at 2007-07-20 11:40
タイトル : 河合さん、ありがとう。そして、お疲れ様。
河合隼雄さんが亡くなった。 びっくりした、というよりも、不思議な感じがした。 そのニュースを知った時、 僕は、偶然、「ねじまき鳥クロニクル」第2部、 主人公が井戸の底に潜ってしまう「あのシーン」を読んでいたこともあって、 その知らせが、あまりにも、ユング的な感じというか、 これこそ、ユング=河合さんの鍵概念「シンクロニシティー」としか言い様がなくて、 頭が混乱した。 村上春樹=ねじまき鳥クロニクル=井戸=無意識=河合隼雄、という形で、 何かの意味の偶然の糸が、すっとつながった...... more
Commented by rudolf2006 at 2007-07-20 11:13 x
june_hさま こんにちは

河合隼雄先生、お亡くなりになったんですね;;
倒れられたのは知っていましたが、朝のラジオのニュースで聞いて、ビックリしました。
私も若い頃、先生の著作は色々と読ませていただきました。あの温厚なお顔が目に浮かびます。
残念ですね;; 
文化庁の長官なんか引き受けなければ良かったのに、と思っていました。ご冥福をお祈りいたします。

7月の松竹座、千穐楽にまいります。
播磨屋は、巡業に出ているようですね~。

ミ(`w´彡)
Commented by june_h at 2007-07-21 20:11
rudolf2006さま、こんばんわ♪
河合隼雄先生の具合が悪いことは、だいぶ前から知ってたのですが、とうとう来るべきときが来てしまった・・・・・という印象でした。最近、ちょうど、図書館で先生のエッセイが目に留まって「そういえば最近読んでないな」って思っていたところだったのです。ユングの「シンクロニシティ」というやつでしょうか。

松竹座、行かれるんですね!千秋楽はやっぱり違うのかしら。海老蔵さんは大丈夫でしょうか。レポ楽しみにしてます♪
Commented by monsieur-meuniere at 2007-07-21 21:06
june_hさん
こんばんは。トラックバックをはらせていただいたものです。コメントも残してなくてすみません!河合先生、本当に残念ですよね。私は心理学の専門家じゃないのですが、河合先生の文化的な考察は鋭いと思っておりました。物語について、河合さんを通していろいろと考えるようになりました。最近読んでなかったのですが、ちょっと読み直してみようかなと思っています。それにしても、良い事も、悪いことも含めて、人生前向きにいきたいものですね!楽しんだもの勝ち!ですね。
Commented by june_h at 2007-07-22 10:07
monsieur-meuniereさん、こんにちわ。こちらこそトラバありがとうございます。私は直接、先生の指導を受けたわけではないですが(先生のお弟子さんがうちの大学の助教授だったので、その方の授業をいくつか受けたことはありますが)、ずっと心の師匠でございました。
私も久しぶりに先生の本を読んでみようと思います。
by june_h | 2007-07-20 08:18 | 雑記 | Trackback(1) | Comments(4)