『生きっぱなしの記』 阿久悠 著 日本経済新聞社

阿久悠さんが亡くなったというニュースを聞いたとき、トリハダが立ちました。なぜって、この本をちょうど図書館から借りてきた直後でしたから。
何ヵ月か前に、彼の本が雑誌で紹介されていて、読みたいなぁと思っていて、やっと最近見つけた本だったのです。

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この本は、日本経済新聞の『私の履歴書』に連載されたエッセイを、加筆・修正したものです。

阿久悠さんは、作詞家として多くのヒット曲を生み出しましたが、作詞家になる前、特に、まだ少年だった終戦前後の事柄に、多くの紙面を割いています。
当時8歳だった彼にとって、終戦は「繭の中から抜け出した日」でした。
その日の猛暑と玉音放送、そして抜けるような青空の記憶と共に、「戦争しか知らない子供」が、ようやく手にした自由の日でした。
しかし、彼の父親にとっては、そうではありませんでした。巡査だった父親は、サーベルを抱いて柱にもたれかかったまま、呆然としていました。一夜にして価値観が変わり、それまで信じていたこと、彼を支えていたものが崩壊した日だったのです。

また、終戦直前に彼の息子(阿久悠の兄)が戦死していました。

父親は、終戦から一年経ったある日、ある行動を起こします。
その行動は、戦争の終わりと共に彼の内部で沸き上がった、アイデンティティ・クライシスを解消するためのものとしか思えませんでした。正気の沙汰ではないと、近所の人たちは噂しましたが、父親は家族を連れて決行したのです。

阿久悠の父親の話ばかりしてしまいましたが、最後の方まで読んでいて私は、ヘンだぞ?期待してた話が全然ないぞ?と思って、母にこう尋ねました。
「阿久悠ってさあ、作詞家と銀行員の、二足のわらじの人じゃなかったっけ?」
「それは小椋佳だよ」

・・・・・いかん。またやっちまった!

恥ずかしいので、
♪しみじみぃ飲めば しみじみとおぉ~おぉ~おぉ♪
と、歌う私(^^;;;

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by june_h | 2007-08-11 09:41 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)