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お盆の話

今年5月に亡くなった祖父の墓参りということで、今、九州に来ています。

お葬式以来、久しぶりに親戚が集まって、飲めや歌えやの大騒ぎ!・・・・・というわけではありませんが、なごやかに、思い出話に花を咲かせました。
私は、親戚の歌舞伎フリークのネエさんと、キャアキャア言いながら歌舞伎の話で大盛り上がり!

ネエさんは、「三之助」の一人として大人気だった菊之助(現 尾上菊五郎)の大ファン!
博多座公演があるときは、市民団体のボランティアとして、観劇バスツアーの企画、運営から、当日のガイドまでやってしまう、筋金入りの歌舞伎好き。
現中村吉右衛門の襲名披露公演を観たことや、踊る中村歌右衛門の息遣いをすぐそばで感じたことなどなど、どの話も私は羨ましく聞いていました。

そしてもちろん、祖父の話でも盛り上がりました。

小さい頃、私はこの祖父が大嫌いでした。
ことあるごとに、私をからかっては、大喜びしていたからです。
「好きな女の子にはつい意地悪してしまう」
これが、祖父なりの、孫に対する可愛がり方だったのですが、当時の私はそんな男心がわかるほど大人ではなく、とにかく祖父が苦手でした。

私が五歳のとき、とうとう事件が起きました。
私が眠っていると、例のごとく祖父がやってきて、私の頭の上で、オナラを一発カマしました。
私はブチ切れ、ガバッと起き上がって、渾身の力をこめて、祖父の尻を蹴り上げました。
つんのめって転ぶジジイを、勝ち誇った顔で私が眺めていると、母が飛んで来て私を叱りつけました。
悪いのは祖父なのに・・・・・子供ながらに理不尽さを感じたものです。

とまあ、大人げない祖父ですが、当時にしては珍しい、彫りの深い顔立ちと、180cmの体躯を持っていたせいか、若い頃は大変モテたと、よく豪語していました。
はぁ?何言ってんの?このジジイ、と最初思っていた私ですが、ある日、若い頃の写真を見せられて、納得すると同時に、ルックスが良いってだけで、なんでも許されるのはズルいよな、と思いました。
「色男 金と力は なかりけり」
を地で行く人だったので、祖母も母も散々苦労させられたはずなのに、二人共、祖父にベタ惚れで甘やかしまくり。
私は密かに「箱入りジジイ」と呼んでいました。

まぁでも、うちの祖父ほど、ジーパンとサングラスが似合う80歳は確かにいないし、旅行に行けば真っ先にアクセサリー売場に行ってばあちゃんのプレゼントを物色するほど女性には優しいし、素直だし、明るいし、バカだし。
母性本能をくすぐる要素を、全部持っていた人かなぁ、とは思います。

死ぬちょっと前も、ゴルフ仲間の未亡人から逆プロポーズされるなど、最期まで「老人」ではなく「男性」であり続けた人でした。

幸か不幸か、私も母も、祖父の外見を一つも受け継がなかったため、平凡な?人生を送っています(笑)。

今頃あの世で、昔の遊び仲間達と、ブイブイ言わせているのでしょうか。
それとも、昔泣かせた女達に取り囲まれて、袋叩きに合っているのでしょうか。


じいちゃんへ

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色気も素っ気も化粧っ気もないあなたの初孫より
by june_h | 2007-08-15 23:12 | 雑記 | Trackback | Comments(0)