『一流の顔』 岡野宏 著 幻冬舎

NHK美粧室で、長年、数多くの芸能人や、世界各国の要人のメイクを担当してきた著者のエッセイ。

一流の顔

岡野 宏 / 幻冬舎


顔は人それぞれ。化粧も人それぞれ。
人間は、吉永小百合のように、左右対称で整った顔を美しいと感じるものだが、彼女のような顔はなかなかいない。かといって、彼女のような顔を目指して化粧を施せばいいというものではない。
大切なのは、自分の顔の良い点と欠点を理解しつつ、良い点を伸ばし、欠点を魅力に見せる演出力だ。俳優のソフィア・ローレンはそれをよく心得ていて、自分で化粧をしていた。渥美清も、若い頃は、顔のホクロを取ろうと思っていたが、渥美清といえばホクロを思い出すように、彼のトレードマークとなった。
逆に、化粧をしない方が良い顔もある。若い頃の桃井かおりは、「自然体」のイメージを大事にするために、あまり化粧をしなかったそうだ。また、永六輔のような、毎日の仕事の積み重ねでできた「職人顔」の人は、化粧をすると嘘っぽくなってしまって難しいらしい。

装うことに対する姿勢も人それぞれ。
本田宗一郎は、その時代の社長の中では珍しく、おしゃれで、メイクに対する好奇心も旺盛。著者に会うたび、質問責めにしていたとか。
対象的なのは松下幸之助。「個性は外見で表すものではない」というポリシーのもと、「無個性」の装いを貫いた。

意外だったのは、ヨーロッパの王族のメイク。豪華なドレスや装飾に負けないメイクをしていると思いきや、公の場では、ほとんどメイクをしないのだそうだ。
かの方々は、スポットライト(照明)を常に浴びているので、大抵のシミやソバカスは光で飛ばせるのだとか。
「陛下のお化粧は照明なのですね」と著者が言うと「陛下のお化粧は微笑みでございます」
と側近からの返事。
確かに、笑顔に勝る顔はない。

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by june_h | 2008-02-18 21:19 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)