『医者が患者をだますとき』 ロバート・メンデルソン 著 草思社

私は、小さいときからお医者さんが好きだった。

医者が患者をだますとき

ロバート・S. メンデルソン/草思社

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まだ4歳だった私。虫歯になって通った歯医者さんは、とても親切だった。私の目線で、歯の治療に使う道具の一つ一つを、丁寧に優しく説明してくれた。
私は歯医者さんが大好きになった。どんなに痛いことをされても、絶対泣かなかった。毎週、通うのが楽しみになっていた。
治療が終わって、明日からもう来なくていい、と言われたとき、私は泣き出して、良い子にしてるから通わせてくれと、泣いて頼んだ。

思えば私の医者好きは、このときから始まっていたのだ。お医者さんは良い人だ。お医者さんの言うことを聞いていれば間違いない。私の頭にはそんな考えが刷り込まれ、具合が悪くなれば、すぐに医者に行っていた。つい去年までは。
でも、私が思っていたほど、医者は良い人じゃないらしい。

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「病気になりたくなかったら病院に行くな」
「人の命を救いたかったら医者になるな」
過激な言葉ばかりが並ぶこの本の著者は、アメリカの小児科医。ジャーナリストによるものではなく、ある種、アメリカの医学界と製薬会社の内部告発のようで驚かされる。もっと驚きなのは、この本のオリジナルが、1970年代に出版されているということだ。医学界は、今も昔も、日本もアメリカもそんなに変わらない。

患者を健康にするための治療や薬が、かえって患者の体に害を及ぼすことがある。
高濃度酸素治療が未熟児網膜症の原因となる。
降圧剤がインポテンツの原因となる。
小児白血病はレントゲン被爆と深い関わりがある。
マンモグラフィーは乳ガンを発見する以上に乳ガンを引き起こしている。いわゆる「医原病」というやつだが、こんな例は、枚挙にいとまがない。

薬の副作用なら仕方ない、と思うかもしれないが、医者の行う投薬や治療のほとんどは、効果も必要も無い。副作用が無いと、うたっている薬は「新薬は副作用がわかる前に売ってしまう」からだそうだ。

治療の中には、全然別の目的で行われているものがある。
例えば定期健康診断。
健康診断は、世界大恐慌時の不況対策として始まった。患者のためではなく、医者のボーナスのためだったのだ。
また、手術のほとんどは、医学生の練習台として行われている。
放射線技師が、論文作成のために、同じ患者に何度もレントゲン撮影をした例もある。

病院が経営難で潰れたり、医者がストライキに入ったりすると、その地域の死亡率がなぜだか下がるらしい。理由は、この本に出てくるように「現代医学は宗教。ほとんどの手術が割礼と変わらない宗教儀式。そして、現代医学の奉じる神は死神」だからだろうか?医者の自殺率が他の職業に比べて高い(日本も同じ)のは、死神に「殉教」するからなのか?

そして、医者にまつわる最大の謎・・・・・
「医者は病気の原因ではなく、病気の症状に振り回されている。これは現代医学の宿命的な課題であり、医者はこの問題にはあまり触れたがらない。だからいつまでたっても、根本的な治療ができないのだ。医者が行っているのは病気の原因を取り除く根治療法ではなく、その症状を抑えるだけの対症療法にすぎないのである」

・・・・・結局、医者って何なのさ?

今年から日本の企業で、四十歳以上を対象に「メタボ健診」なるものが実施されるらしい。「メタボリックシンドロームの早期発見により、生活習慣病を予防することで、医療費の抑制を目指す」らしいが、わざわざ医者が「顧客」を減らすようなことはしないと思うので、効果はないだろう。予防接種同様、医者の「定期収入源」が増えるってだけだ。

私は、医者が好きだったので、薬まみれになり、副作用に苦しんだ。
妹は逆に、小さいときから医者にひどい目にばかり合わされてきたので、医者も薬も信用せず、今では私より健康に見える。
私が好きだった歯医者さんは、良い人だったのだろうか・・・・・今でも時々考える。

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Commented by rudolf2006 at 2008-04-14 23:00 x
june_hさま こんばんは

医原病 西洋医学では、確かに多そうな気がしますね
それに比べて漢方では対処療法ではなく、体質を変えようとしますよね~。それでも、中華圏では何も問題なく人間が生きてきたことを考えますと、西洋医学だけで良いのか、と思いますね~。

浪速花形歌舞伎のレポをブログに載せています
お暇なときにでも、また覗いてくださいね~

ミ(`w´)彡 
Commented by june_h at 2008-04-15 21:04
rudolf2006さま、こんばんわ!ご連絡ありがとうございます。
漢方療法は、まだマシじゃないかと思います。私も経験ありますけど、一度、飲んだ薬が合わなくて、ひどい目に遭ったことがあります(^^;
by june_h | 2008-04-14 20:39 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(2)