『伝統の逆襲-日本の技が世界ブランドになる日-』 奥山清行 著 祥伝社

「私、車には興味無いですけど、フェラーリは他の車と全然デザインが違ってて、かっこいいなって思います」
なーんて、仕事中に適当なことを言ったら、隣の上司が
「フェラーリの車をデザインした日本人がいる」
と言いました。
ふーん、そうなんだあ、とその時はそれで終わったのですが、数週間後、その「彼」がテレビ東京の「カンブリア宮殿」に出演しているじゃありませんか!

奥山清行。ゼネラルモーターズのデザイナーとしてキャリアをスタートさせた彼は、その後、イタリアに渡り、フェラーリのデザインに携わる。そのまま車のデザイナーとして第一線を走り続ける、と思いきや、故郷の山形に戻り、伝統工芸の「復活」に尽力している人。
そんな彼のエッセイです。

伝統の逆襲 奥山清行
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司会の村上龍とそっくりな容貌で、小池栄子が「龍さんと似てますよね」・・・・・私も同感。さらに彼女は「フェラーリってそんなにすごいんですか?」という暴言を吐いて、奥山さんを苦笑させ、村上龍を慌てさせていました(^^; 1年前の私も、小池栄子と同じ感覚でした。

多くのデザイナーは、長く愛されるものを作りたいと願うけど、大量生産大量消費の今の時代では、多くの製品が使い捨ての消耗品。車も結局そう。「もの」ではなく「ゴミ」を生み出すような仕事に限界を感じたとき、彼は故郷を思い出しました。

素晴らしい技術がたくさんあるのに、注目されず、後継者は無く、廃れる一方の伝統工芸。彼はイタリアで学んだ工房のノウハウや仕組みを導入して、世界に通用する洗練された名品を作り出せるようにプロデュースしています。成果は現在進行形です。

イタリアでは、高い技術を持った職人がちゃんと評価されていて、年収数千万で優雅な暮らしをする「親方」がよくいるそうですが、日本では同じような技能を持った人がいても、ヘタしたら給料は十分の一です。日本の職人は、3Kか人間国宝になるかの両極端で、間が無いと彼は言います。

とはいえ、イタリア人に無くて日本人にあるのは「相手の立場になって考える想像力」だと言います。日本人の技術が抜きん出ているのは、手先が器用だからだけではなく、この想像力あってのことなのです。
また、集団の中で、他の国の人達は、誰もが四番バッターになりたがりますが、日本人は、集団の中で、自分の能力が一番発揮できるポジションを考え、リリーフでもバントでもきっちりこなそうとする。こんなマインドを持っているのは、日本人だけだそうです。日本人が集団になると強いってのは、ここに理由があるのかもしれませんね。

私も二十代の頃は、自分が認められたい、目立ちたいと思って、自分の能力を示すのに必死になってましたが、結局、結果が出ずに消耗して終わりました(笑)。
でも、自分の利益をゴールにするんじゃなくて、お客さんや会社の利益になるように振る舞えば、自然と評価もついてくるんだってわかったら、すっごくラクになりました。「情けは人のためならず」・・・・・巡り巡って自分も生かすって、こういうことなんだなって。私もちゃんと日本人っぽくなったかな(^^;;;だからと言っていっぱい残業したりはしませんが。

そんな私は、仕事柄、車の名前や種類を扱うことも多いのですが、いくら上司の「講義」を受けても、ちっとも覚えられず・・・・・おかしいな。歌舞伎役者の屋号なら、覚えられるんだけど(^^;;;;;

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by june_h | 2008-08-07 20:25 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)