「わたし、男子校出身です」 椿姫彩菜 著 ポプラ社

テレビのバラエティ番組や雑誌で活躍している椿姫彩菜さんのエッセイ。

「わたし、男子校出身です」 椿姫彩菜
「わたし、男子校出身です」 椿姫彩菜
彼女は、元々男性として生まれ、大学在学中に、性転換手術を受け、身体も戸籍も女性になりました。しかし、ここに至るまで、周囲や家族との大きな葛藤があったのです。

世間体を重んじ、男の子らしくして欲しい両親。特に母親は、「息子」の振る舞いを心配して、小学校から私立の男子校に入れてしまいます。
しかし彩菜さんは、そんな母親に、激しく反発。反抗したり無視したり。彼女にとって、家庭は安らげる場所ではありませんでした。
どちらが良い悪いという問題ではないのでしょう。二人とも、愛していないわけじゃない。お互いのアイデンティティの問題なのだと思います。お互い、一番理解して欲しい人に、理解してもらえない・・・・・本当に苦しかったと思います。

今では、母親と和解した彩菜さん。女性としての本名である「有里」という名前を、母親に付けてもらったと言います。

でも、私が一番ショックに思ったのは、性転換手術経験者の、実に4割近くが、自殺しているということ。

手術自体のリスクもさることながら、手術の後遺症や薬の副作用、そして、偏見の多い社会の中での生き難さとか、いろいろ考えられると思います。
でも、私が思ったのは、彼女達が小さいときから抱いている、自分の身体と、社会から期待される性役割を「受け入れられない」という苦しみ。
自分の存在に対する不安感を、明確な形で背負っていかなければならないということは、どんなにか苦しいだろうと思います。
こうした思いが、社会や周囲から自分達の存在が「認められない」という思いと結びついたとき、苦しみは倍加するのではないでしょうか。

彼女が性転換する前、女性を逆恨みしたと言います。
「女」であるというだけで、セーラー服が着られて、おしゃれもできる。自分は禁じられているのに・・・・・と。

・・・・・私も生物学的には「女性」ですが、まったく自分を着飾ることに興味が無いので、なんだか申し訳なく思ったりして(^^;

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by june_h | 2009-07-02 20:51 | 本 読書 書評 | Trackback | Comments(0)